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  • 2016/08/04

デロイトが予測する、「労働」に起こる4つの破壊的変化と10のトレンド

デロイト トーマツ コンサルティングは1日、グローバルでの人材・人事の課題をまとめたレポート「グローバル ヒューマン キャピタル トレンド2016」を発表した。「労働」に関する4つの破壊的変化と今後の組織の再編成/再設計をするにあたり重要となる10のトレンドを解説する。

(執筆:編集部 時田 信太朗)

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「労働」に関する既成概念の崩壊が起こっている
(出典:デロイト トーマツ コンサルティング発表資料)


管理職・人事部門の92%が「組織デザイン」が重要と回答

 デロイトによれば、130か国、7000人を超える管理職や人事部門責任者へのアンケートとインタビューの結果、2016年度の最優先課題として票を集めたのは「組織デザイン」だった。

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「グローバル ヒューマン キャピタル トレンド2016」調査結果概要
(出典:デロイト トーマツ コンサルティング発表資料)


 経営者たちは、経営戦略としてのダイバーシティ&インクルージョン(多様化と一体化)に着目し、職場を再構築するためにデジタル技術を取り込み始めるとともに、強固な「学習の文化」が成功のカギとなることに気付き始めている。こうした中でデロイトでは、HRリーダーの役割は「CTO(チーフ・タレント・オフィサー)」から「CEEO(チーフ・エンプロイー・エクスペリエンス・オフィサー)」に進化していることを指摘した。

 これらの組織の再編成や再設計の背景にあるものとして、デロイトは企業の人材確保や人材活用に破壊的な変化をもたらしている4つの要因を挙げる。(1)人口構成の急激な変化、(2)デジタル化の波、(3)加速度的に変貌する時代の訪れ、(4)会社と社員の新たな関係性を挙げている。

 これらの要因をうけて、今後の組織の再編成/再設計をするうえで重要な10のトレンドは以下の通り。

(1)組織デザイン:チーム組織の台頭
(2)リーダーシップの覚醒:ジェネレーション、チーム、科学的アプローチ
(3)組織文化:文化を変え、戦略を動かす
(4)エンゲージメント:いつでも、どこでも
(5)ラーニング:従業員中心の学習へ
(6)デザイン思考:固有のエクスペリエンス(経験価値)を創造する
(7)HRの組織能力:新たな使命に向けて動き出した人事組織
(8)ピープル・アナリティクス:加速中!
(9)デジタルHR:進化を超え、革新を起こす
(10)ギグ・エコノミー:単なる混乱か、破壊的革新か?

(1)組織デザイン:チーム組織の台頭
 多くの企業がすでに機能別の組織構造から移行しており、「現在も機能別の組織構造を維持している」のは、従業員数5万人超の大企業ではわずか4分の1程度。さらに8割超の企業が、「現在組織構造の改編をしている、もしくは完了した」と回答している。一方で、「自社の組織を効果的にデザインし直せると信じている」幹部は14%に過ぎず、同様に「クロス・ファンクショナル・チームの組成に自信がある」は21%、「ネットワークの中でどうやって人々が協働していくのかを完全に理解している」は12%と少数にとどまった。

(2)リーダーシップの覚醒:ジェネレーション、チーム、科学的アプローチ
 本項目調査結果の背景には、伝統的なピラミッド型のリーダーシップ開発モデルは、事業ニーズと変化スピードに見合ったリーダー育成に不十分と考えられるようになったことが反映されている。しかし、「多様なリーダー人材に向けた投資をほとんど、あるいはまったくしていない」と回答した企業は59%に上り、「ミレニアル世代のリーダー育成に秀でている」と回答した企業はわずか7%、「グローバルなリーダーの構築に秀でている」と自社を評価した企業は13%、会社全体で後継者育成をしっかり行っていると評価した企業は14%のみである。

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(3)組織文化:文化を変え、戦略を動かす
 CEOやHRリーダーは、組織文化が従業員の行動、イノベーション創出、顧客サービスをドライブすると理解しており、82%が、「組織文化が競争優位につながる」と回答している。しかし多くの企業は組織文化を測定することが難しいと考えており、「自社の組織文化を十分に理解している」企業はわずか28%で、「自社に適切な組織文化がある」と回答した企業はさらに少なく19%だった。

(4)エンゲージメント:いつでも、どこでも
 従業員にとって働きがいのある魅力的な職場環境づくりの必要性を企業が認識しはじめ、従業員の感情をリアルタイムに評価する新たなツール(「パルス・サーベイ(短サイクルで項目を絞った従業員エンゲージメント調査)」や「(匿名の)ソーシャル・ツール」、マネジャーによる「チェック・イン(成果達成と成長のための日常的なフィードバッグの仕組み)」等)が急速に普及しはじめている。

 にもかかわらず、回答企業の64%が現在でも従業員エンゲージメント測定を年1回しか行っていない。また、労働人口の多様化(世代、グローバル化、人種、文化、性的指向 等)や従業員の雇用形態の複雑化(正規社員、パートタイマー、在宅勤務者、派遣社員 等)が進む中、適切な職場環境を整えている企業は11%、ミレニアル世代や他世代を職場に惹きつけることに長けている企業はわずか4%である。

(5)ラーニング:従業員中心の学習へ
 技術の進歩や人口構成の変化が進み、競争に打ち勝つための従業員の継続的なスキル向上が求められる中、企業によるラーニングのあり方が問われている。4割ほどが(2015年は30%)MOOCs(大規模公開オンライン講座)を社内の従業員訓練に取り入れ、15%(2015年は5%)が先進的動画技術を活用するなど、前向きな企業が増加する一方、自社ラーニングの提供方法が「非常に効果的」と回答したのは8%にとどまった。

【次ページ】労働力構成が変わり、今後は臨時的な労働力活用が必要に

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