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2017年07月05日

現地で見た「サンフランシスコ流の働き方」、なぜ割高でもコワーキングが流行るのか

「コワーキングスペース」。ここ数年、日本でもひんぱんに耳にするようになった言葉だ。アメリカを起点に広がったコワーキングスペースは、今では全世界で7,000以上の運営企業が存在し、年率約23%で増加している。なぜ、ここまで市場が拡大しているのか? 世界的に市場をリードする米WeWorkの現地取材も交え、TwitterやUber、Airbnb、Pinterestらも拠点を構えるサンフランシスコにあるコワーキングスペースの最前線をレポートする。

執筆:大洲 早生李

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サンフランシスコにある「WeWork SOMA」のオープンスペース

(写真:筆者撮影)


コワーキングスペースとは何か

 「コワーキング」とは、同じ会社や団体に属さない2人以上の人が同じスペースで働くことを意味し、そのようなワークスタイルを実現する場所を「コワーキングスペース」と呼ぶ。単にデスクと高速インターネットやWi-Fiといった設備環境が整っているだけではなく、個人が独立して働きながらも、アイデアや情報を交換しながら、オフィス環境を共有することで相乗効果を生み出すことを目指す。

 また、既存のレンタルオフィスとは異なり、仕切りのないオープンスペースにおいて、各自好きな場所に座り、会議室やイベントスペースなどのほか、キッチンやラウンジなどもあるのが一般的だ。

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(クリックで拡大)

WeWork SOMAのエントランス

(写真:筆者撮影)

 今回、取材をしたアメリカ西海岸サンフランシスコのSOMAにあるコワーキングスペース「WeWork SOMA」の1階では、ヴィンテージとモダンをミックスしたようなレンガの壁に大きな窓が目を引く、おしゃれなカフェのようなオープンスペースとなっており、アップルのMac PCをのぞきこみながら起業家たちが仕事に打ち込んでいる。

 エレベーターで別のフロアへ移動すると、全面ガラス張りの1〜4名用の仕事部屋がずらりと並び、バラエティに富んだオフィス空間が目の前にひらける。モノが少ないオフィスもあれば、色あざやかな手製のカーテンがかけられているオフィスもある。

 さらに地下に降りると、そこにはリビングスペースのようなくつろげる空間があり、休憩中とみられる男女が談笑しながらランチボックスをつついている。

 ビル内には授乳室まであり、多種多様な背景を持つワーカーたちが心地よいクリエイティブな空間のなかで、お互いを刺激しあい、刺激を得られる場所となっている。

実は割高なコワーキングスペース、それでも流行る理由

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 WeWorkのようなコワーキングスペースは、リーズナブルな価格だと思われがちだが、実は従来のオフィススペースの価格と比べるとかなり割高だ。

 National Real Estate Investorの調べによると、アメリカ大都市のシェアオフィスの賃貸料一平方フィート当たり139ドルに対し、商業スペース(オフィスビル)の賃貸料は一平方フィートあたり49.59ドルと181%のプレミアムがついていることになる。なぜそこまでのプレミアムを払ってまで人々はコワーキングスペースを選ぶのだろうか?

 コワーキングスペースとオフィススペースのレンタルの一番の違いは、個人のニーズによりフレキシブルな値段で借りられるところだ。

 たとえば、WeWorkの場合、エリアによって価格が大きく異なる。取材したサンフランシスコにあるWeWork SOMAの場合は、月550ドルから24時間7日いつでもオープンエリアで仕事ができるパッケージから、1席あたり月900ドルからプライベートのオフィススペースを借りることができ、起業のステージと予算により自分の最適なプランを選べる。

 また、長期で契約する必要もなく、月々での決済が可能だ。スタートアップ企業では、経営環境や時代のニーズの変化に機敏に対応することが必須であり、急なスタッフの増減などもひんぱんにある。月々のプランによりオフィス賃貸予算のコントロールがしやすいのは大きなメリットだ。

 こうしたフレキシビリティに加え、コワーキングスペースの最大のメリットは、利用者同士で気軽にビジネスプランを相談したり、投資家を探したりとネットワークを築くことができることにある。

【次ページ】半数超の利用者がコワーキングスペースでしていること

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