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衛星データを活用したビジネスへの注目が集まっており、政府も宇宙政策の取り組みを推進している。今回は総務省の取り組みを紹介しよう。時間の変化に着目した取り組みに特に力を入れているようだ。
注目される「衛星データ」
衛星データを活用したビジネスへの注目が集まっており、政府も宇宙政策の取り組みを推進している。
総務省はこの7月、「4次元サイバーシティの活用に向けたタスクフォース」の最終報告書を公表した。これまで総務省は「宇宙利用の将来像に関する懇話会」において、衛星データ(測位データや観測データなど)の時間変化に着目した「4次元サイバーシティの活用に向けたタスクフォース」を開催している。
防災や農業など幅広い分野での衛星データの利活用に向けた議論を進め、今回、最終報告書を公表している。
総務省では、衛星データはセンサーの高度化や衛星数の増加により、大量の衛星データをAI解析で時間差分による変化の自動検出などができる3次元+時間差分からなる「4次元サイバーシティ」を構築する。
「4次元サイバーシティ」と既存データとの組み合わせによる新サービスや新産業の実現を目指している。
総務省が示す4次元サイバーシティとは、衛星データによる3次元空間内の情報の把握と、AI解析による時間変化の自動抽出などにより、4次元(3次元+時間軸)的にさまざまな情報の分析・抽出できる仕組みだ。
総務省では、4次元サイバーシティの活用に向けて、国内外や政府系/民間系を問わず、取得できる衛星データを利用し、画像解析などの専門知識がなくとも、簡易に時系列変化を抽出できる解析機能を提供する。
当初は、ニーズのあるサービス・アプリケーションの実現に必要なデータや機能を具備し、必要に応じて、複数の衛星データを蓄積・利用できるようにするという。
衛星データをどう社会実装するのか
4次元サイバーシティの具体的な実現に向けて、「(1)データの範囲」「(2)解析機能と提供方法」「(3)活用領域」「(4)AI技術の適用」を挙げている。
「(1)データの範囲」は、4次元サイバーシティに蓄積するデータセットの範囲で、地球観測衛星を主要なデータ源とし、頻度・精度などの条件も設定する。
データの種類では、衛星から捉えられる地球上の事象のうち、以下のとおり、3次元空間の把握のために有益なデータを対象としている。
「(2)解析機能と提供方法」では、将来的に、複数の事業者により、さまざまな活用領域や目的に応じて活用可能とするための具備すべき機能を搭載していくという。
【次ページ】今後の衛星データの利活用促進に向けた4つの柱
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