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  • 2018/11/07

一覧表で確認、AIとRPAの「活かし方」

今注目すべきものは何かと聞かれれば、「AI(人工知能)」や「RPA(Robotic Process Automation)」「チャット」を挙げる人は多いだろう。特に少子高齢化よる労働人口が減少している日本においては、AIやRPAで“人手不足”を補う動きが活発化している。では、これらの技術を適切かつ、効率的に活用するにはどのような心構えが必要なのか。ITRの取締役でシニア・アナリストを務める舘野真人氏は、「利用の主体は“人”であることを念頭に3つの技術を効果的に取り入れるべきだ」と指摘する。

フリーライター 岡崎勝己

フリーライター 岡崎勝己

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ITR 取締役 
シニア・アナリスト
舘野真人氏

「能力」「作業」「場」を拡張する新技術

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 人口減少に歯止めがかからない。日本の生産年齢人口(15~65歳)は、1995年をピークに一貫して減少を続けている。

 政府は高齢者や「家事」という名の無償労働を強いられてきた女性を労働市場に取り込むことで、改善を図ろうとするものの、人口構成を考えれば抜本的な解決には程遠い。

 舘野氏は、「2020年からの10年間で労働人口は約500万人も減少します。この状況を放置しては、組織が機能不全を起こすことはほぼ確実です。そうした事態に陥る前に、企業は新たな労働力を確保する必要があります。その策としてデジタル技術の利用は極めて妥当かつ自然な流れと言えます」と説明する。

 さらに館野氏は、労働は以下の3要素で構成されると説く。

1.業務遂行のための「能力」
2.能力によって行われる「作業」
3.報告や連絡などの「場」

 そして、これら要素を拡張するのが、AIやRPA、そしてVR(仮想現実)やAR(拡張現実)といった新技術だ。

サマーランドはスタッフ目視による来場者分析をAI化

 では、これら技術の特徴を個別に見ていこう。AIは以下の能力拡張に貢献する。

1.事象を把握するための「知覚・認識」
2.知識の継承や経験の保管のための「ナレッジ化」
3.意思決定のための「判断」

 さらに最近では画像認識や音声認識・言語解析・探索・予測・推論といった分野を複合的に活用するとで、成果を挙げている企業も相次いでいる。その1社として舘野氏が紹介したのが、日本最大級のプール施設を運営する東京サマーランドだ。

 東京サマーランドの入園者はチケット購入者と異なることも多く、従来は入園者の属性をスタッフが目視で確認してきた。ただし、そのために属性把握の精度向上が難しく、それが顧客サービス向上の足かせとなっていた。

 その解決策として東京サマーランドが取り組んだのは画像認識/分析による来場者の把握である。同社では、園内にネットワークカメラを配置し、それらで収集される映像から来場者の属性や感情を分析できる仕組みを整備した。その結果、スタッフが目視よりも正確に来場者の属性や状態を把握することができ、次のキャンペーン施策展開につながったという。

 また、かんぽ生命保険では保険金請求の査定業務でAIを活用している。査定処理をする際、類似の案件情報をAIが過去案件から抽出して提供することで、査定者がより高度な査定業務を行える環境を整えた。

AI活用では「学習」段階をいかにスキップするかがカギ

 AIの運用で一番時間と労力、そして専門知識を要するのは「AIを学習させること」だ。そのため現在ではすぐに使える「学習済み」のAIがいくつも登場しているという(図1、2)。
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図1:主な学習済みAIサービス(1)
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図2:主な学習済みAIサービス(2)

「視覚系や音声系、言語系、知識・検索系など、AIの種類はさまざまです。機能的に物足りないとの声もしばしば聞かれるが、一定の技術水準には達しており、自社業務にどれほど“はまる”かの検証に着手してもよい時期にきています」(舘野氏)

 もっとも、AIの活用には技術以外の課題もある。その1つが、「組織がどこまでデータ活用に対して成熟しているか」という点だ。

 いくら高価なAI(プラットフォーム)を購入しても、組織に「データを分析して知見を見出し、それを活用する」という文化がなければ、AI活用は成功しない。知見の“原動力”となるデータをどのように収集し、どのような手法で分析し、その結果をどのように活用すべきかの的確な判断ができなければ、AIは宝の持ち腐れだ。

 館野氏は、「データを使う側の組織的で継続的な学習は欠かせない。(中略)せっかくの分析結果を最大限に生かすためにも、セルフサービス型BIやモバイルアプリなども活用すべきだ」と力説した。

【次ページ】今後のRPA活用で注意すべきは「ガバナンス」

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