BMW、GM、ルノー、フォードらがブロックチェーンに注目
1月にラスベガスで開催されたCES期間中、英国に本拠を置くTU Automotive社が「業界アナリストサミット」と呼ばれるカンファレンスシリーズを独立して開催した。自動車業界に関するあらゆる分野のディスカッションが行われたが、その中でも注目だったのがブロックチェーンと今後の自動車業界のあり方についてのものだった。
プレゼンテーションを行ったのはMOBIのCEOで、過去にトヨタファイナンシャルサービス、トヨタ・リサーチ・インスティテュートのCFOを務めたクリス・バリンジャー氏。
MOBIとはブロックチェーン技術を用いて車のモビリティをより安全に、よりグリーンに、そしてよりアクセシブルにしよう、というイニシアチブを推進する団体で、BMW、GM、ルノー、フォードなどの自動車メーカーを始め、車のOEMメーカー、コンピュータ企業、自動運転技術開発企業、ソフトウェア開発企業、大学などの研究所、政府機関など150以上のパートナーを有する。
6年後には「GDPの10%」がブロックチェーンに保管される
バリンジャー氏は世界経済会議による「2025年には全世界のGDPの10%はブロックチェーンに保管される」という予測をまず提示。現在企業の収入1ドルあたり、トランザクションコストは20セントと言われる。ブロックチェーンを導入することでこのコストが軽減され、スピード化が期待できる。
PoCの観点で見ると、現時点ですでにテクノロジー面はブロックチェーンに対応できており、残る問題はスケーラビリティ、そしてブロックチェーンを使ったビジネスのエコシステムの構築だけだという。
【次ページ】ブロックチェーンの利用法を競う3年がかりの競技会も開催