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  • 2019/02/18

IPアドレスとドメイン名の管理は何が違う? 基礎からわかる「レジストリ」の役割

ネットワーク基礎解説

DNS(Domain Name System)はインターネットを支える仕組みのひとつです。DNSを円滑に動かすためには、その管理に携わる関係者が連携・協調するための、登録管理の仕組みと世界的な管理体制が必要です。ここではインターネットの基礎ともいうべき、IPアドレスとドメイン名の管理の違い、そしてレジストリの役割について解説します。

日本レジストリサービス 渡邉結衣、佐藤新太、藤原和典、森下泰宏(監修)

日本レジストリサービス 渡邉結衣、佐藤新太、藤原和典、森下泰宏(監修)

渡邉 結衣(わたなべ ゆい)
日本レジストリサービス(JPRS) 技術企画室
2016 年に JPRS 入社。レジストリや DNS の技術・サービス調査及び企画などに従事。また、関連するコミュニティ活動にも参加し、日本 DNS オペレーターズグループ(DNSOPS.JP)に事務局として参画。

佐藤 新太(さとう しんた)
日本レジストリサービス(JPRS) 技術企画室
1999 年に社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC、現在は一般社団法人)に入社し、JP DNS および JP レジストリシステム、オフィスシステムの構築、運用にたずさわる。2001 年に JPRS に転籍。各種システムおよび M ルートサーバーの運用に従事し、JP DNSの IPv6 対応、IP Anycast の導入にたずさわる。ICANN SSAC メンバー(2007-2016)、RSSAC Caucus メンバー(2014-)

藤原 和典(ふじわら かずのり)
日本レジストリサービス(JPRS) 技術研究部
1991 年より学生・助手として早稲田大学のキャンパスネットワーク設計・構築・運用にたずさわる。2002 年に JPRS 入社。DNS および関連する技術の調査・研究、IETF での標準化活動に従事。RFC 7719(DNS 用語集)、RFC 8198(DNSSEC による名前解決の性能改善)共著 博士(工学)

森下 泰宏(もりした やすひろ)
日本レジストリサービス(JPRS) 技術広報担当
1990 年より WIDE メンバーとして、日本のインターネット構築に当初から参画。1998 年にJPNIC 入社。JP DNS およびレジストリシステム、オフィスシステムの構築、運用にたずさわる。2001 年に JPRS に転籍。DNS および関連する技術の調査・研究、IETF での標準化活動に従事。2007 年より技術広報担当として、DNS・サーバー証明書に関するプロモーション活動を担当。RFC 4074(IPv6 の DNS 問い合わせに関する不適切な動作)共著 『djbdns で作るネームサーバ徹底攻略』『実践 DNS』共著

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インターネットはどのような仕組みで成り立っているのでしょうか
(©Tatyana - Fotolia)

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 インターネットは全体を集中的に管理しない、分散管理が基本です。DNSも階層化と委任によって、それぞれの組織による分散管理を実現するための仕組みのひとつです。

 しかし、インターネットに接続されたホストを識別するためのIPアドレス(番号)やドメイン名(名前)といった識別子については、利用者が混乱しないように、例外として、統一的・一元的に管理される必要があります。その役割を担い、インターネット上の番号や名前の割り当て・登録を担当する組織のことを「レジストリ」といいます。ここではレジストリとその関係者による、ドメイン名の登録管理の仕組みと世界的な管理体制について説明します。

ドメイン名の構成

 レジストリについて解説する前に、そもそもドメイン名はどのように構成されているのかを見ていきましょう。

 ドメイン名は文字列を「.(ドット)」でつなげた形で構成されます。そして、それぞれの文字列を「ラベル」といいます。実は、ドメイン名の最後にもドットが付いているのですが、通常は省略されます。この、ドメイン名の最後に付けられた(省略された)ドットは階層構造の頂点となる「ルート」を表しており、ルートを起点として右側から順番に

・TLD(Top Level Domain、トップレベルドメイン、ティーエルディー)
・2LD(2nd Level Domain、セカンドレベルドメイン)
・3LD(3rd Level Domain、サードレベルドメイン)

と呼びます。「.jp(ドットジェーピー)」や「.com(ドットコム)」というドメイン名をよく聞きますが、これらは代表的なTLDです。

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ドメイン名はルートを起点とした階層構造をドットでつなげた形になります

IPアドレスとドメイン名の管理の違い

 IPアドレスとドメイン名はその特徴から、割り当て・登録管理の扱いが異なっています。

 IPアドレスでは、限りある資源をインターネット全体で共有するため、利用効率や公平な割り当てなどの点において、世界的に整合性のとれた管理をする必要があります。IPアドレスのレジストリは、そのためのルール作りや、レジストリ間の調整の役割を担います。

 一方、ドメイン名では、1つの名前空間をTLDごとに分割し、それぞれのTLDの特色に合った、利用者の多様なニーズに応えるサービスを運用できるという柔軟性を持ちます。

 また、ドメイン名は、利用者にとって身近な組織名、サービス名、商品名といったものを連想させるため、登録や利用に関して生じたトラブルや紛争を解決するための仕組みも必要になります。

 ここではドメイン名のレジストリの重要性に注目し、その役割について見ていくことにします。

レジストリの役割

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 ドメイン名を使えるようにするためには、レジストリに対して「このドメイン名を使いたい」という登録申請をします。申請を受け付けたレジストリは、その内容が登録要件を満たしているかを審査・確認し、レジストリが管理するデータベースに登録することで、申請者がそのドメイン名を使う権利を得ることになります。

 登録したドメイン名には有効期限が設定され、そのライフサイクルに則って運用する必要があります。レジストリは、ドメイン名の新規登録のほか、登録者の申請に基づいて登録済みドメイン名の登録情報の更新、有効期限の更新、廃止などを行い、ドメイン名を管理します。

 レジストリの主な役割は、以下の6つです。

1)レジストリデータベースの運用管理
 登録情報を蓄積し管理する登録原簿「レジストリデータベース」を運用します(図1)。登録情報とは、そのドメイン名を登録するために必要となる個人名や組織名、各種連絡先などの情報です。

2)ポリシーに基づいた登録規則の策定
 レジストリは、自分が登録管理するドメイン名のポリシーを定めます。そして、そのポリシーを実現するための登録規則・細則などを決め、利用者に周知します。

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図1:レジストリデータベースの運用管理

3)登録申請の受け付け
 レジストリは登録者から、ドメイン名の登録申請を受け付けます。申請されたドメイン名を規則に基づいて審査し、受け付けた情報をレジストリデータベースに登録します。

4)Whoisサービスの提供
 レジストリは、自身の管理するドメイン名の情報をWhoisサービスで提供します。

5)ネームサーバーの運用
 管理対象となるドメイン名をインターネット上で利用可能にするためのネームサーバーを管理・運用します。レジストリのネームサーバーでは、登録者が登録した委任の情報が管理されます。

6)情報発信・教育啓発活動
 インターネット全体の円滑な運用を目的として、多くのレジストリがインターネットにおけるポリシーやガバナンス、技術などの各分野における情報発信や教育活動などを行っています。

【次ページ】レジストリとTLDの関係

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