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- 2019/02/07 掲載
ウーバー、ダイムラー、BMWらが参戦、自動運転活用のライドシェア戦争
【CES2019現地レポ】
ウーバー、リフトはネバダ州で自動運転車両サービスを展開
現在はウーバー、リフトというライドサービスと提携し、実際に自動運転車両サービスを提供している。ウーバーやリフトのアプリで「自動運転車両」のオプションを選ぶことができるのだ。
もちろん完全自動運転であっても米国の法律に基づきドライバーが乗車している必要があるが、運転そのものは自動運転が適用される。
またカリフォルニア州、アリゾナ州の一部ではグーグルのウェイモが実験的に同様の自動運転タクシーを運用しており、自動運転はどんどん身近なものになりつつある。
このように、自動運転はまず公共のシャトルバスやライドシェアなどの商用車から運用が始まると予想される。それを予感させるようなさまざまな発表が今回のCESでは行われた。
まず、フランスで自動運転の小型シャトルやパリ近郊での自動運転タクシーを運営するTransdev社が、米国の自動運転関連のソフトウェアを提供するTorc社との提携を発表した。両社は今後Transdev社のシャトルの米国内での実用化を目指し協力関係に入る。
Transdev社はすでにカリフォルニア州のビジネスパーク内で無人運転車両を提供、また昨年にはフロリダ州などの一部でスクールバスとして無人シャトルを試験運用するなどの実績がある。しかしこれまで行われてきたのは私有地の中での運行であり、今後は公共道路での完全無人シャトルの実現を目指すことになる。
ダイムラー、BMWらのモビリティ戦略は?
次に、ダイムラー・ファイナンシャル・サービス(DFS)が今回のCESで初めて同社のモビリティサービスの詳細を公表した。DFSはメルセデス・ベンツやダイムラートラック、メルセデス・ベンツバン、ダイムラーバスと共にダイムラーグループの一環を成す企業で、主にライドシェアや自動運転などのモビリティサービスを担当している。DFSが提供するモビリティサービスにはcar2go、moovel、mytaxiという3つがある。car2goは2009年に始まった分単位で車をシェアできるサービスで、欧州のほか、米国ではテキサス州オースティン、ニューヨーク州ニューヨーク、イリノイ州シカゴ、コロラド州デンバー、オレゴン州ポートランド、カナダのモントリオールとバンクーバーでサービスを展開している。
昨年12月、ダイムラーとBMWはcar2goとBMWの同様のサービスであるDriveNowとの合併を発表、今年1月31日に合併に関する手続きが終了している。ドイツの高級車メーカーが手を組み、世界最大級のカーシェアサービスとなる予定だ。
moovelはモビリティ・アズ・ア・サービス(MaaS)プラットフォームで、市や公共交通に対しさまざまなモビリティ・プロバイダーのサービスを集約するために提供されるアプリだ。利用者はこのアプリを使い、目的地までの公共交通、ライドシェア、カーシェア、レンタル自転車などの多様なオプションを比較でき、さらには公共交通のチケットを購入することもできる。moovelは現在米国では500万以上のダウンロード数があり、公共交通のチケット販売アプリとしてナンバーワンとなっている。
mytaxiは欧州でナンバーワンのタクシーアプリで、ダイムラー傘下のタクシーサービスであるbeat、 Clever Taxi、 Chauffer Priveなどが含まれる。ライドシェアサービスと同様に1つのアプリで呼び出し、支払い、ドライバーへの評価ができることが特徴だ。
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