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  • 2019/04/16 掲載

5G×自動運転で何ができる?V2Xの具体的ユースケースで占う未来

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総務省が5G(第5世代移動体通信システム)用にNTTドコモ、KDDIと沖縄セルラー電話、ソフトバンク、楽天モバイルに電波帯域を割り当て、2020年内に商用通信サービスを開始する見通しとなった。さらに一般向けには2023年頃の導入が見込まれている。5Gが導入されることにより、自動運転はどう変化するのか、さらに新しいユースケースの可能性は考えられるのか。

執筆:米国在住ジャーナリスト 土方 細秩子

執筆:米国在住ジャーナリスト 土方 細秩子

米国在住のジャーナリスト。同志社大学卒、ボストン大学コミュニケーション学科修士課程修了。テレビ番組制作を経て1990年代からさまざまな雑誌に寄稿。得意分野は自動車関連だが、米国の社会、経済、政治、文化、スポーツ芸能など幅広くカバー。フランス在住経験があり、欧州の社会、生活にも明るい。カーマニアで、大型バイクの免許も保有。愛車は1973年モデルのBMW2002。

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注目の5G、自動運転と合わさると何ができるのか?
(Photo/Getty Images)

5Gと自動車の未来予測

 米国での5G導入技術の第一人者の一角であるクアルコム・テクノロジーズ(以下、クアルコム)。同社で5Gに関する主任エンジニアであるシャイレッシュ・パティル氏を招いたTU Automotiveによるウェビナーが開催された。

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 ウェビナーでは5G NR(NewRadio、5Gの無線仕様)によるC-V2X(Cellular-Vehicle to Xの略、自動車と歩行者、他の車両、道路設備、ネットワークとの接続や相互連携を実現するコネクテッドカー技術)の現状と今後、そしてこの技術がもたらす可能性などが語られた。

 パティル氏によると、5G技術の普及によりさまざまなテクノロジーが発展する可能性が考えられる。たとえば、スマートロジスティクス、スマートホームやスマートビルの建設、さらにはヘルスケア分野でもAIとVRを使った遠隔操作によるスマートオペレーション、救急車などを5Gで結ぶことによる迅速な対応などだ。

 今回は特に自動運転と5Gに重点が置かれたが、クアルコムでは3G LTEを使用した自動運転システムとして通信仕様であるRel (Release).14をV2X(Vehicle to X、自動車で情報をやりとりする技術やシステムの総称)に導入する実証実験を2017年に開始、2018年にRel. 15として最初の5G NRを使った車両テストを開始、さらに今年中にRel.16として5G V2Xを商用車に向けて実際に導入、2020年終わりにはRel.17で一般車両への導入を開始するというタイムラインを持つ。NR-V2Xのスタンダード化は2023年頃が期待されているという。

5G×自動運転の焦点は「安全性」から「利便性」へ

 具体的にこうした段階でどのようなことが可能なのか。Rel.13では3G通信を用い、前方の危険物の察知と通知、14ではV2V(Vehicle to Vehicle、自動車間)のダイレクトコミュニケーションが可能となり、車同士の追突防止などに役立てられるようになった。つまり13、14といった3G通信では主に安全性についての機能に重点が置かれていた。

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3GPPのReleaseスケジュール

 5Gを使ったRel.15になると、より多くの情報をリアルタイムで得ることにより、ナビゲーションが大幅に改善される。路上の危険物、道路工事などのリアルタムアップデート、さらにより多くの周囲の車の状況を把握することが可能となる。そして今年12月頃が予定されている16では、V2Vのコミュニケーションが発展し、5G NRを搭載していない車両も5G搭載車両が認知し、周囲とのコミュニケーションを取ることにより、全体として「まとまった車両走行」が可能となる。

【次ページ】5GとV2Xが実現するメリット

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