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- 2021/09/17 掲載
急躍進の「テレヘルス(遠隔医療)」サービス、コロナ後も安泰とは言えないワケ
米国のテレヘルスサービス利用、2021年は64%
8月末にリサーチ会社Parks Associatesが開催したコネクテッドヘルスサミットでは、テレヘルスの現状、新しいビジネスモデル、業界の成長予測、今後の課題などさをテーマにまざまなセッションが行われた。同社によると、長引くコロナの影響もあり、米国でのテレヘルスサービスの利用は2017年の8%から2021年には64%に急増している。コロナ前の2019年の時点で普及率は15%、コロナが流行した2020年には41%である。
この理由としては、テレヘルスを提供する企業やビジネスモデルの増加、テレヘルス利用への保険適用などを認める規制の変化、医療プロバイダーによる導入、テレヘルス市場そのものの増大などが挙げられる。
テレヘルスサービスの代表例、今後成長が見込まれる分野
テレヘルスサービスと呼ばれるものとしては、以下の内容などが挙げられる。- 旅行、学校、企業などに対する疾病モニタリングサービス
- 医療現場におけるAIなどを使った診断サポート
- 持病を持つ人へのコンディションモニタリング
- 退院後の経過観察
- 高齢者の見守りサービス
- フィットネスサポート
そしてこれらを可能にするためのデバイスとしては、次のようなものが代表的だ。
フィットネストラッカー、GPSスポーツウォッチ、スマートウォッチ
体重計、フィットネス機器、歩数計、胸部取り付け型心音モニター
スマート体温計、ワイヤレスCPAP(睡眠時無呼吸症候群防止のための持続陽圧呼吸器)、スマートピルケース、コネクテッドグルコメーター(血糖値測定器)、ワイヤレス心音計、パルスオキシメーター
スマートマットレス、スマートスリープ関連商品
また、今後成長が期待される分野は大きく次の7つが挙げられる。特に4と5はコロナ禍において急速な成長が見られる分野だ。
- RPM(Remote Patient Monitoring:遠隔患者モニタリング)プログラム、リモート診断
- デジタルセラピューティックプログラム(アプリを使って処方箋薬品購入などを可能にする)
- ホームホスピタル(新しいDTCモデルが急速に増加中)
- メディカル/ヘルスデバイス、ホームテストキット、ソフトウェアソリューション
- コンタクトトラッキング、病院などの収容状況マネジメント、エアクオリティ感知、消毒状況のモニタリング
- 既存のメディカルデバイス(PERS、CPAP、ペースメーカーなどのオンライン・リモート化)
- セルラー、LPWAN、Bluetoothを組み込んだ機器
デジタル/テレヘルス産業には多くのベンチャーが参入、オムロンなどの既存の大手メディカルデバイスメーカー、ヘルス産業に乗り出すGAFAらと共に、競争力が高まっている。ロックヘルス社のデータによると、テレヘルス産業へのベンチャー投資額も劇的に増加している。
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