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  • 2021/02/05

移動する必要がない時代、MaaSの可能性は信じられるのか?

ICTを活用し、電車、タクシー、バスなどのマイカー以外の公共交通機関による移動をシームレスにつなぐ概念が「Mobility as a Service(MaaS)」だ。技術革新により注目されている分野だが、新型コロナウイルス感染拡大による移動手段の制限など、現在、大きな影響を受けている領域でもある。「MaaSの可能性」をテーマに、衆議院議員の鈴木 馨祐(けいすけ)氏がファシリテータとなって、東急 交通インフラ事業部 MaaS担当課長の森田創氏、NearMe 代表取締役社長の髙原幸一郎氏が意見を交換した。

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移動が制限される時代、MaaSの価値は
(Photo/Getty Images)
※本記事は2020年9月24日開催「MaaSの可能性 (主催:イグニション・ポイント)」の講演をもとに再構成したものです。

アプリで一括管理、「MaaS」とは?

衆議院議員 鈴木馨祐氏(以下、鈴木氏):「MaaS」という言葉は、まだそれほど広まっていないと思うのですが、具体的にどういったことができるのかを教えていただけますか。

東急 森田創氏(以下、東急 森田氏): 「公共交通機関だけで行きたいところに行けるようにしよう」という思想のもと、スマートフォンで電車やバス、地下鉄、路面電車、自転車など、さまざまな乗り物を決済して使えるようにするサービスと、私はとらえています。

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東急
交通インフラ事業部 MaaS担当課長
森田創氏
 公共交通機関を使えばCO2削減につながり、地球に負荷がかからないということで始まったのですが、日本では2年前から徐々に広がりました。日本の場合、乗り物だけではなく、宿泊施設や観光地へも行けるようにしようとした点がユニークです。

鈴木氏:東急さんは、JR東日本さんや伊豆急行さんと、伊豆エリアにおける公共交通機関や観光施設、観光体験をスマートフォンで検索・予約・決済できる観光型MaaS「Izuko」の実証実験を実施されています。

 東急さんの立場としては、やはり自社の交通機関を使ってほしいという思いもあったと思うのですが、その点いかがでしょうか。

東急 森田氏:Izukoでは、JR東日本や東海バス、西武系列の伊豆箱根バスなどにもすべて乗れます。お客さまにとってバス会社はどこでもよいと思うのですが、当然、企業としての葛藤はあります。

 そこで重要だったのは、「伊豆に来るお客さまを増やそう」という考えです。お客さまが増えれば乗客も増えますから、そういう意味では大きな船に乗って同じ方向を向いてがんばれていると思います。


創業以来最大の危機、MaaSが解決するか

鈴木氏:今回の新型コロナウイルスの感染拡大によって、どのような影響が出ているかお聞きできますか。

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NearMe(ニアミー)
代表取締役社長
髙原幸一郎氏
NearMe(ニアミー) 髙原幸一郎氏(以下、ニアミー 髙原氏):我々は、9人乗りのシャトル(バン)のシェアリングサービスを運営しています。電車やバスは不特定多数なので誰が乗っているか分かりませんが、我々のサービスでは乗る方を特定できますし、マスクの着用をお願いできるなど、逆に評価されている部分があります。

 また、シェアリングは“密”が気になるところだと思いますが、シャトルは空いた席を作ることで密を避けるなど、テクノロジーにリアルのアセットをうまく活用して運用しています。

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通勤シャトルの車両
(出典:二アミー)


東急 森田氏:実際のところ、東急は創業以来最大の危機だといわれています。これまでは、いかに大量に人を輸送して働いてもらったり買い物をしてもらったりするか、というところで成り立っていたのですが、その勝利の方程式が破壊されてしまった。これからは働き方や暮らし方も変わり、"なんでもあり"の時代になるので、人それぞれに合った移動サービスを提供していくことが重要だと考えています。

 今までは、ほとんどの人が高速バスや電車に乗って通勤していたので、ビジネスモデルは単純でしたが、これからは複雑化することになります。多様化したニーズにどう対応していくかという点では、まさにMaaSの出番だろうと思っています。

【次ページ】絶対的に正しいMaaSは存在しない

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