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  • 2021/03/30

「出社率1割以下」ユニリーバやメルカリらが議論、働き方を戻してはならない

コロナ収束後、私たちの働き方は果たしてどうなるのか。ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス、メルカリ、“働く環境の総合商社”ウエダ本社のマネジメントメンバーが集結し、「働き方の変化でマネジメントも変化したのか」をテーマに議論した。相模女子大学大学院 特任教授でジャーナリストである白河 桃子氏をモデレータに、人々の働き方が大きく様変わりする中で、マネジメントはどう考えるべきなのか、何に葛藤しているか、真摯(しんし)な意見が交わされ、議論は個人のウェルビーイングについてまで発展した。

フリーランスライター 吉田育代

フリーランスライター 吉田育代

企業情報システムや学生プログラミングコンテストなど、主にIT分野で活動を行っているライター。著書に「日本オラクル伝」(ソフトバンクパブリッシング)、「バックヤードの戦士たち―ソニーe調達プロジェクト激動の一一〇〇日 」(ソフトバンクパブリッシング)、「まるごと図解 最新ASPがわかる」(技術評論社)、「データベース 新たな選択肢―リレーショナルがすべてじゃない」(共著、英治出版)がある。全国高等専門学校プログラミングコンテスト審査員。趣味は語学。英語と韓国語に加えて、今はカンボジア語を学習中。

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(左から)相模女子大学大学院 特任教授 白河 桃子氏、ウエダ本社 代表取締役 岡村 充泰氏、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス 取締役 人事総務本部長 島田 由香氏、メルカリ 取締役会長 /鹿島アントラーズ・エフ・シー 代表取締役社長 小泉 文明氏

本記事は2021年2月24日開催「働き方を考えるカンファレンス2021 働くのこれから」(主催:at Will Work)の講演を基に再構成したものです。記事の内容はイベント当時のものです。


ユニリーバの出社率は3%、各社のテレワークシフト状況

 議論はまず、各登壇者の企業におけるテレワークシフトの状況の報告から始まった。

 京都を本拠地とする“働く環境の総合商社”ウエダ本社は、オフィスを通して世の中の課題に向き合い、日本のオフィスや日本人の仕事観を変革していくことをめざし、ワークプレイスデザインやコーポレートデザインなどを事業柱としている。

 同社の代表取締役社長 岡村 充泰氏によると、現在同社ではテレワークや直行直帰を推奨し、出社率は50%程度だという。これは、会社が京都の中心地にあるため、コワーキングスペースなどを利用するより、何かにつけ動きやすく、効率が高いからだそうだ。

 一方、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングスは、現在の出社率は3%。2020年3月18日以来、工場など出勤せざるを得ない部門を除いて完全在宅としている。「テレワークではできない仕事がある」「通信環境に問題がある」などの理由で出社することは可能だが、週2回が限度で、直属の役員を通じたトップの許可が必要だそうだ。

 新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大時期にあったとき、ユニリーバはグローバル企業として各海外法人に綿密かつ膨大なプロトコルを送った。日本でそれを受け取ったのが取締役 人事総務本部長の島田 由香氏で、そこには感染拡大状況に合わせたオフィス使用規定が事細かく記されていたという。

 島田氏は、「そのプロトコルから痛感したのは、『社員の安全が第一で、それより大事なものはない』という英国本社のメッセージでした」と語る。

 メルカリは、もともと同社は働き方の自由度が高く、現在の出社率は10%程度。同社 取締役会長の小泉 文明氏は「一番生産性の上がる場所で仕事をしてください」と社内に声をかけているという。

 同氏は鹿島アントラーズFCの代表取締役社長も務めているが、こちらはローカルにひもづくビジネスであるため、出社率は50%程度になる。しかし、アウトプットはできるだけSlackに上げるなど、テレワークが可能になるよう見える化を推進しているという。


明日コロナが収束するとしたら、働き方は戻る?

 ここでモデレータの白河 桃子氏が、3氏に対して質問を投げた。「明日コロナが収束するとしたら、日本の社会はどうなると思いますか?」。

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もしも明日、コロナが収束したら、働き方は変わるのか?

 小泉氏の回答は、「一般的には元に戻るのではないか」というものだった。「マネジメント層の考えが二極化しており、“時代が進んでよかった”と思うマネージャーも一部にいる一方で、ボリュームゾーンのマネジメント層はデジタル化の波にキャッチアップできていません。彼らの中に“元に戻したい”という強い思いがあるが、これが社員の満足度との間で大きなギャップを生んでいます」と指摘する。

 島田氏も小泉氏に賛同した。日本においては「元に戻そう」という力がかなり強いというのだ。しかし、ユニリーバは「絶対に戻さない」と断言した。ただし、オフィス使用に関しては、次の段階が来れば制限を緩めることを決めているという。

 「働き方の選択肢提供も企業の競争戦略の1つのオプションだ」と小泉氏は語る。

「メルカリは今年で8周年を迎え、社員は1800人になりました。働き方に関して僕らがずっと追い求めているのは、社員のアウトプットをどのようにして最大化するか。マネジメントはきちんと選択肢を用意して、本人たちのモチベーションに還元してあげることが重要です。今後、そのような選択肢のない企業は『他のすべての面でも社員に優しくないんじゃないか』『自分たちのキャラクターや個性に対して真剣に向き合ってくれないんじゃないか』と疑心を持たれて、選ばれないのではないでしょうか。優秀な方ほど選ばないでしょう」(メルカリ 小泉氏)

【次ページ】「オフィスは必要か?」論争に対する考え

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