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  • 2021/10/12

よくわかる金融業務のAI活用事例、「投資助言」「取引自動化」「不正防止」

連載:図でわかる3分間AIキソ講座

AI(人工知能)の普及以前から、金融・保険業界とIT技術の連携が注目され、それは「フィンテック(FinTech)」と呼ばれるようになっていました。そこにAI技術の進歩が重なれば、当然ながらフィンテックにおけるAI活用は積極的に検討されるようになります。実際、AIの応用範囲は幅広く「信用・契約管理」「会計財務」「投融資・運用」「セキュリティ」と、金融・保険業界の業務に深く関わっていくことなります。本記事では、そうしたフィンテックとAIの関わりについて簡単に解説していきます。

フリーライター 三津村直貴

フリーライター 三津村直貴

合同会社Noteip代表。ライター。米国の大学でコンピューターサイエンスを専攻し、卒業後は国内の一部上場企業でIT関連製品の企画・マーケティングなどに従事。退職後はライターとして書籍や記事の執筆、WEBコンテンツの制作に関わっている。人工知能の他に科学・IT・軍事・医療関連のトピックを扱っており、研究機関・大学における研究支援活動も行っている。著書『近未来のコア・テクノロジー(翔泳社)』『図解これだけは知っておきたいAIビジネス入門(成美堂)』、執筆協力『マンガでわかる人工知能(池田書店)』など。

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フィンテック領域で活躍する人工知能(AI)のカラクリとは…?(後ほど詳しく解説します)


AI活用事例:投資の助言とは?

 身近で分かりやすい事例がロボアドバイザーによる資産運用に関するアドバイスでしょう。方向性としてはAIアシスタントなどと同じですが、違いは人間の意図を理解しそれに従うだけではなく、高度な情報分析や提案能力を持っているということです。

 ロボアドバイザーなどのサービスでは、AIがユーザーの年齢・職業・収入・資産・運用目的などの情報を分析し、最適な運用方法をアドバイスしてくれます。

 大切な資産の運用をAIに任せるのは心配かもしれませんが、ロボアドバイザーが提案してくれる運用戦略は、人間のアドバイザーでも提案しうる実績ある手法ばかりです。資産運用の専門家が普段顧客に提案しているような戦略をAIが代わりに教えてくれているだけ、と考えるとAIにお任せする不安は解消されるでしょう。

 また、こうしたロボアドバイザーはスマートフォンからでも利用できるようになっているため、資産運用の知識や運用に割く時間がなくても、専門家が使っている運用戦略を手軽に実践できるのが魅力です。

 こうした「AIによる助言」は個人投資家向けのものだけではなく、金融業者による投融資、保険契約のリスク評価、M&Aの評価や候補といったプロ向けのより複雑なタスクにおける助言も含まれます。

 複雑な経済理論や膨大なデータベースを扱えるようになったロボアドバイザーの助言は、時には専門家の予想を超える場合もあり、その応用範囲は広がり、精度は高まり続けています。今後はあらゆるビジネスにロボアドバイザーが活用されるようになり「まずAIに相談してみる」というのが当たり前になるかもしれません。

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ロボアドバイザーのイメージ
(出典:筆者作成)

AI活用事例:取引の完全自動化とは?

 アドバイスだけではなく、AIを利用して市場の動向を分析し、取引を完全に自動化するアプローチも広がっています。最初にいくつかの戦略やパターンを決めておき、AIはユーザーの方針に従って膨大な過去のデータベースを参照、未来の価格変動を予測し、最適な取引を実行します。

 完全に自動化されているため、人間がやることはほとんどありません。ある種のAIによる投資信託のようなものです。ただ、実際の投資信託とは違い、ユーザーが比較的自由に戦略に介入することができるため、普段は安全に運用しつつ、ここぞというところでリスクをとって利益を最大化するといった戦略を気軽に実行できるのが強みでしょう。

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未来の価格変動を予測してくれる人工知能(AI)のカラクリ

 往々にしてリスクの低い運用方法は取引にかかる手間や時間が問題になりますが、自動化してしまえば問題ありません。利益は低くとも、自動化して大規模に実行すれば十分に利益は得られるからです。

 AIによる投融資の自動化は応用範囲が幅広く、証券取引やFXのみならず、競馬や競輪などの賭け事にも応用されています。お金が動く所にAIによる自動化があると言っても過言ではないでしょう。

【次ページ】人の仕事を代替するAI、導入進む業務領域とは

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