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- 2023/05/17 掲載
採用してもすぐ辞める…原因は採用ではなく「勘違い上司」?実践すべき5つのポイント
「採用はやっぱり運だよね…」は超危険
皆さんは、2060年の悲観モデルをご存じでしょうか? 国立社会保障・人口問題研究所が発表した「日本の将来推計人口」によれば、未婚化や晩婚化、子育て費用の負担増加などで少子化がさらに進み、2060年の日本の人口は現在のおよそ7割の約8674万人まで減ると推測されています。しかも、そのうち26.9%が75歳以上の高齢者で占め、15~64歳までの生産年齢人口は、今よりも4割以上も少ない約4418万人になること見込まれています。何もそんな先の話ばかりではありません。直近の帝国データバンクの調査によると、正社員で人手不足を感じている企業の割合がすでに51.7%に上っています。
人口減少を背景とした人手不足は、企業にとっては死活問題です。そのような状況でも、「そもそも面接ですべて見抜くのは難しいよね」「やっぱり最後は合う、合わないだから」などと勘違いを言って、相性・マッチングという、労働市場任せの「運に期待した、イイ人採用」を行っている企業が実に多いように感じます。
もちろんそれでうまくいっていれば良いのですが、「採用する」「短期で辞める」を繰り返していては、お金でも労力でも多大なムダが生じます。何より社内の雰囲気も悪くなり、とても危険なことだと言えます。そして、現在のような売り手市場の状況が今後も続くことが予想される中、その「運」の確率は一層と下がっていくと考えられます。
離職防止は「採用」ではなく「職場」の改善
労働市場任せの「運に期待した、イイ人採用」を続けている企業では、社員から、「離職や欠員が生じる要因を解消しないまま、次の社員を募集して補うのは無理がある」との声が決まって聞かれます。その声が示すように、それは穴の開いたバケツに水をくみ入れているような状況です。これでは、採用の都度、同じ教育をする側も、される側もモチベーションが下がるのは明らかです。要するに、問題の本質と解決の方法を取り違えているのだと言えます。たとえ、募集の文言や面接の仕組みを工夫しても、募集賃金を相場に合わせて改定しても、相性・マッチングに期待した「イイ人採用」はいずれ限界がきます。
もちろん採用の工夫は大切です。ただその工夫だけで、入社した社員が高いモチベーションを持って働くようにするのは相当に難しいことです。たとえ、一時的にイイ人が集まったとしても、本質の改善に取り組んでいない「にわか仕込みの演出」だとしたら、社員がやる気をなくしたタイミングで退職という判断をくださなくなる、というわけでは決してないのです。
必要なのは、先ほどのバケツの例にならえば、バケツに空いた穴をふさぐ作業です。そのためには職場風土を変える必要があります。では、どうしたら良いのでしょうか。
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