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- 2023/08/24 掲載
「理想の上司」の条件は? 上司が部下のモチベーションを高めてはいけない深いワケ
真の意味で「理想の上司」とはどんな人?
結論から言うと、理想の上司とは「部下の将来の利益を最大化してあげる人」です。大事なのは、目先の利益を与えるのではなく将来を見据えたうえで最も有益になる指導をすること。たとえば、ルールを違反した部下に「今度から気を付けようね」とだけしか言わなかったり、成績不振な部下に対して「ドンマイ、きっとすぐによくなるさ」と優しく声をかけたりするような上司は、残念ながら理想からは程遠いと言わざるを得ません。
いずれのケースも耳の痛い話を避けたことで部下がほっとするかもしれませんが、上司は本来ルール違反した部下には「必ずルールを守ってください」と指摘すべきですし、目標未達が続くのであれば、その状況から抜け出すために何が足りないかを認識してもらい、改善策を考えさせなければなりません。そうすることで部下は成長できます。
指摘を受けて喜ぶ部下はいないでしょうし、中には上司の存在を疎ましく思う部下がいるかもしれません。嫌われたくないがゆえに部下のルール違反や成績不振に何も言わずにいるのは簡単です。
しかし、同じ会社に勤務し続けるにせよ転職・独立するにせよ、部下の人生はこれからも続いていきます。上司の指摘を受け、できなかったことが1つずつできるようになっていくと、部下は出世の階段をのぼり、役職や報酬が上がっていくはずです。
そうすれば、部下は選択肢が増え、人生がより豊かになっていくでしょう。部下への指摘を怠る上司は、部下の成長機会を気づかないうちに奪ってしまっているのです。
「上司しかできない役目」を放棄しない
たとえ厳しい人だと思われようと部下の将来のために必要な指摘をすることが本当の優しさではないでしょうか。それは、上司にしかできない役目です。もちろん、大声で怒鳴ったり人間性を否定するようになじったりする態度はパワーハラスメント以外の何物でもないため、論外です。また、普段からピリピリしている人も要注意です。部下が上司との接触を恐れるようになると、「怒られたくないから」という理由でミスやクレームを隠蔽(いんぺい)するようになります。
ですから、上司はミスやクレームの話題であっても感情を表に出さず、淡々とした口調で部下に伝えると良いでしょう。 【次ページ】上司が部下のモチベーションを高めてはいけない理由
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