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- 2023/10/12 掲載
楽天モバイルは本当にヤバいのか?批判続いても三木谷氏が絶対的な自信を持つワケ
連載:デバイス新潮流
「経営に絶対的な自信がある」と語る三木谷氏
8月に行われた楽天グループの2023年12月期第2四半期の連結決算は、売上収益が前期比9.5%増の9,728億円。営業利益は1,250億8,700万円のマイナスだった。赤字であることは間違いないが、前年同期は1,987億3,000万円の赤字だったので、赤字幅がかなり小さくなった。
楽天モバイルについては、基盤確立のフェーズ1(2020年から2022年)、リーンな経営を確立するフェーズ2(2023年)を経て、2024年からは黒字化に向けて上昇気流に乗り出すフェーズ3に入るとしている。
三木谷氏がモバイル事業をポジティブにとらえている理由はいくつかある。まず、コスト削減が目標以上にうまく進んでいること。KDDIに支払うローミング費用や基地局の開設費用、TVCM、ショップなどの顧客獲得コストが削減され、目標として掲げた月間150億円のコスト削減は計画を大きく前倒して進捗(しんちょく)している。
エリアの拡大と評価高まるネットワーク品質
楽天モバイルは、KDDIとの新ローミング協定に基づき、KDDIの800MHz帯が都内や都市部の繁華街でも利用可能になったとともに、パートナーエリアでも高速データ通信が無制限でできるようになった。そのためデータ無制限エリアは99.9%となり、エリアの広さについては他社と同レベルになった。ネットワーク品質についても評価が高まっている。モバイルネットワークの分析を行う独立系の調査会社Opensignalでの品質調査で、トップランクを獲得している地域もある。
その効果か、8月下旬には契約者数が500万を突破した。ARPUは順調に上昇し、2,000円を超えた。4,000円前後の他キャリアに比べれば低いが、2年前までは数百円だったことに比べれば大幅改善だ。解約率も他社並みに下がったという。楽天銀行・楽天証券・楽天生命に本人確認書類を提出済みの場合は、楽天モバイルの音声契約手続きが簡易化されるサービスも提供。グループ内のユーザーをさらに取り込もうとしている。
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