- 2026/08/19 07:10 掲載
“包丁キャンセル”で市場3倍…「ワンプレート冷食」86%が未購入でも急増中のワケ(3/3)
“包丁キャンセル”で伸びる冷食、背景にある社会の変化
コスパ・タイパがさけばれる中、包丁などの刃物系の調理器具を使わない「切らない調理」が若年層に広がっている。キユーピーが20~74歳の既婚女性1500人を対象に実施した2025年度「えがおの食生活研究」によれば、Z世代では「包丁」「料理ばさみ」など刃物系の調理器具の使用がその他の世代よりも大幅に少なかったという。
同調査では、「外食機会の増加」や「市販品や加工食品による手間の軽減」も浮き彫りとなった。「完璧な家事を目指す時代から、効率と満足度のバランスをとる価値観が主流となっている」と結論付けられている。
ワンプレート冷食市場も、こうした潮流にうまくハマったのかもしれない。
ニップンの須田氏は、「共働きの増加などにより手作りが減っていることに加え、家庭内での個食が増えていることもワンプレート冷食が好まれる一因と言えます。複数人分をまとめて作るなら乾麺のパスタを茹でたほうが効率的ですが、個別で食べるなら冷食のほうが便利ですよね」と話した。
ニッスイの吉田氏も同様の見解を示しつつ、「食事回数の減少」にも触れた。
「近年は、食事回数が減少傾向にあるというデータがあります。全年代で3食しっかり食べる人が減り、1日1食の人が増加傾向です。1人での喫食機会が増えていることも踏まえると、ワンプレート冷食市場は今後も拡大するのではないでしょうか」(吉田氏)
両社とも、引き続き顧客ニーズに沿う製品を投入していく方針だ。拡大市場ではあるが、「おいしくなさそう」というネガティブイメージや400~600円前後と他の冷凍食品よりも高単価である点は課題となる。この秋冬の新商品の動向も気になるところだ。
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