各家庭に設置することを想定したスマートメーターは、さまざまな設置環境下においても安定した通信接続の維持が必要といった技術的課題があった。WisReedは、こうした課題を解決し、ラストワンマイルの構築を容易にするアドホック通信技術となる。


　本技術は、スマートメーターなどの通信システムに組み込まれることを目的とした、設定することなくネットワークを自動構築する自律分散型ネットワーク技術。これにより、既存の通信技術では難しかった大規模でも安定した無線ネットワーク通信が可能になるという。


　スマートメーターの導入で先行する関西電力では、本技術を活用して、電気使用量の収集や開閉器制御などを可能とする双方向通信を実現している。本技術は、すでに関西電力の200万台を超える大規模スマートメーターシステムに導入し、安定的に稼働しているという。これにより、関西電力は、検針業務などの効率化に加え、電気使用量のきめ細かな見える化サービスの提供などを実施している。

　本技術が、今回、IETFより「Experimental RFC」として承認。国際的にオープンな標準技術として認められたことで、富士通ではこれまで以上に国内外の電力会社や機器メーカーに積極的な提案活動をしていくという。