ネットサービスで始まる“ラストワンマイル”への挑戦
現状の実店舗とネットの売上を比較してみると、2008年の米小売業では売上全体に占めるECの割合は4%、2012年でも6%で、まだ非常に小さい。これは日本でもほぼ同じレベルだと言われる。
「ただしここで注目すべきは、Webで商品を見て、実店舗で商品を買うという割合が約4割弱あること。今後はネットか、リアルかで線引きすることが難しくなっていく、あるいは境界が曖昧になっていくと考えられる」(藤吉氏)
こうした状況の中で、リアルとネットの各々に、どんな変化が出てきているのか。
まずネットサービスがどうしても超えられない課題として挙げられるのが、商品の配達に時間がかかることだ。
「リアル店舗なら商品を購入した段階で、顧客はその場で品物を手にすることができる。しかしECの場合は、購入ボタンをクリックし、商品が手元に届くまでには、一定時間が必要だ。その“ラストワンマイル”を何とか解消しようということで現在、新たな取り組みが始まっている」
その1つの例として、既に米国で始まっている“ロッカーサービス”がある。ネットで注文を受けた商品を、コンビニや小売店舗の外に設置した“ロッカー”に配送し、会社帰りなど顧客の都合のいい時間に立ち寄ってもらい、商品をピックアップしてもらう、というものだ。
「実際のサービスとしては、アマゾンのAmazon Lockerやグーグルが買収したBufferBoxなどが挙げられる。これらはユーザ自身が、買った商品を取りにくという仕組みのもの」(関連記事:
楽天、「楽天BOX」開始 駅のロッカーで商品受け取り)
【次ページ】予測出荷・PFM(個人金融資産管理)・電子レシートって何だ?