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  • 2014/07/30 掲載

“薬版の食べログ” MedPeerが目指す、医師の集合知を医療へ還元させるSNSとは

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Google Venturesをはじめとするベンチャーキャピタルが医療IT分野に多額の出資を行うなど、欧米を中心に、オンラインで医師がデータや情報を共有する動きが盛んになっている。日本でも、治療に関する情報を共有するプラットフォームが存在する。7万人の医師が登録し、経験や情報を共有しているMedPeer(メドピア)だ。医師専用SNSであるMedPeerが、なぜ今注目を集めているのか。今回は運営会社のメドピア 代表取締役 石見 陽氏に、同社サービス今後の展望について聞いた。
執筆:吉澤 美弥子

医師限定のSNS上で、経験やノウハウを共有する「MedPeer」

photo
メドピア
代表取締役
石見 陽氏
 メドピアが運営する「MedPeer」は、医師限定の会員サイトだ。医者同士の知恵、経験などのノウハウのほか、薬剤や症例に関する情報をインターネット上に集約、共有することができる。メドピア 代表取締役 の石見 陽氏は、同社サービスについて以下のように語った。

「MedPeerが提供している数あるコンテンツの中で、最も分かりやすいのが、“薬の食べログ”ともいえる『薬剤評価掲示板』です。これは、薬剤ごとに、医師が実際に処方した際の『総合的な満足度』、『効果』、『副作用の頻度や重篤度』、『薬の継続のしやすさ(服薬コンプライアンス)』、『薬のコストパフォーマンス』、といった視点で評価・情報共有しています」

 現在では約2300の薬剤について、32万件以上の口コミが投稿されている。これまで、オフラインの勉強会などで情報交換していた処方薬に関する知見が、SNS上において全国の医師間で行えるようになったという。現在は国内医師の約4人に1人にあたる、全国の医師7万人以上がメドピアに登録している。

 ビジネスモデルとしては、医師がある薬剤のページを見た際に、製薬企業のその薬剤に関する広告が表示される、という広告収入モデル。

 製薬企業からお金をもらっているが、コンテンツは広告と完全に独立している。類似サービスの多くが広告主である製薬企業に重きを置いているなか、MedPeerでは純粋に、医師のためのサイトを目指しているのが特徴的だ。

医者だけで、建設的な意見交換ができる場所が必要だった

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 石見氏はMedPeerの代表取締役を務める傍ら、現在も週に一日、現役の医師として働いている。「医者として働きつつ社長業も行う」という選択をしたきっかけは何だったのか。

 大学卒業後、同氏は循環器内科医としての道を極めていこうと、東京の私大附属病院に勤めていた。しかし同病院の他科での医療ミスにより、マスコミからの強烈な医師批判を受けるようになったという。バッシングの影響により、通常の診察が困難になった同氏は大学院への進学を決める。

 出向として大学院へ進んだ同氏は研究の傍ら、今のメドピアを設立し、医師の人材紹介業を行っていた。あくまで研究が本業で、人材紹介はサイドビジネスに過ぎなかったという。

 2006年、mixiが上場したことにより、SNSブームが起こった。医師のSNSも当時幾つかできていた中で、同氏は「純粋に、医者だけで建設的な意見交換ができる場所作りを目的とした医師のSNS」が必要だと考え医師集合知を軸としたサービスの立ち上げを決意した。これを機に医師業とビジネスの比率を逆転させる決意を固めたという。

「起業したかったというより、MedPeerをはじめるにあたって、医師業との時間の比率を変える必要があったという感じです。もともと起業に対しての抵抗感は人よりはなかったとは思います。両親が自営業で、親戚の多くが医師家庭という環境で育ったので、必ずしも大企業に属することが幸せではないと考えが自然とあったのかもしれません」

【次ページ】“医師の集合知”を基盤に社会へ貢献する

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