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  • 2014/11/19 掲載

ロボットやITは金融をどう変える?ネット銀行やネット保険に進化をもたらす4つの視点

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ガートナーの金融業界担当責任者の宮本認氏によれば、国内の金融機関から相談を受けるテーマが大きく変わりつつあるという。2010年頃は、顧客接点をどう充実させればいいかという問い合わせが中心だったが、2012年頃からはタブレットの活用方法に移り、2014年に入って、ロボットやITが金融を変えるようになるのかといった具合に変化したという。インターネットバンキングやネット保険など、金融のIT化は進んでいるが、ではこの先、何を、どうしていくべきなのか。宮本氏が4つの視点を示した。

執筆:レッドオウル 西山 毅、構成:編集部 松尾慎司

執筆:レッドオウル 西山 毅、構成:編集部 松尾慎司

レッド オウル
編集&ライティング
1964年兵庫県生まれ。1989年早稲田大学理工学部卒業。89年4月、リクルートに入社。『月刊パッケージソフト』誌の広告制作ディレクター、FAX一斉同報サービス『FNX』の制作ディレクターを経て、94年7月、株式会社タスク・システムプロモーションに入社。広告制作ディレクター、Webコンテンツの企画・編集および原稿執筆などを担当。02年9月、株式会社ナッツコミュニケーションに入社、04年6月に取締役となり、主にWebコンテンツの企画・編集および原稿執筆を担当、企業広報誌や事例パンフレット等の制作ディレクションにも携わる。08年9月、個人事業主として独立(屋号:レッドオウル)、経営&IT分野を中心としたコンテンツの企画・編集・原稿執筆活動を開始し、現在に至る。
ブログ:http://ameblo.jp/westcrown/
Twitter:http://twitter.com/redowlnishiyama

金融機関の2013年の重要課題はモバイル対応、決済、認証、クラウドサービスだった

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ガートナー
コンサルティング部門
シニア・マネージング・パートナー
金融業界担当責任者
宮本 認 氏
 ガートナーでは、今後すべての企業は「デジタルカンパニー」になり、IT戦略はデジタル戦略へと変化すると予測している。ガートナーはデジタルカンパニーを、仮想と物理の世界を融合して人/モノ/ビジネスを直接結び付け、顧客との関係を瞬時に変化させていくことのできる企業と定義。当然その実現のためには既存のITを根本から見直す必要がある。

 「Gartner Symposium/ITxpo 2014」で登壇した宮本氏は2010年以降、国内の金融機関から相談を受けるテーマについて、2010年頃は、顧客接点をどう充実させればいいかという問い合わせが中心だったが、2012年頃からはタブレットの活用方法に移り、2014年に入って、ロボットやITが金融を変えるようになるのかといった質問を受けるようになったと語る。「日本の金融機関でも少しずつ、デジタル化を真剣に考える土壌が出始めてきている」。

 それでは現在、デジタル先進国の米国金融機関ではどのような取り組みが行われているのか。ここで宮本氏は、2013年に米国のある金融機関が実施したデジタル化に関する、ある調査研究プロジェクトの結果を紹介した。

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 同調査によれば、米国ではまず、社会全体のマクロトレンドとして、高齢化やヒスパニック系の人たちの増加など人口構成が変化していること、セキュリティ対応の重要性が増していること、コンピューティング環境が永続的かつ広範囲に及んできていること、営業場面などにおける人の役割が変化していることが挙げられるという。

 こうした現状を踏まえた上で、宮本氏はガートナーが今後のテクノロジプラットフォームの基盤として採り上げる4つの力、即ちモバイル、インフォメーション、クラウド、ソーシャルが金融機関にもたらす影響を次のように説明する。

「モバイルの領域では、モバイル機器の変化が顧客サービスのあり方を変えるだろう。またリアルとデジタルをよりダイナミックに繋ぐ統合化が進んでいく。さらに電子マネーの対応など決済のデジタル化の進展も金融機関に大きなチャンスと影響を及ぼすと考えられる」

 インフォメーションの領域では、顧客IDの管理がより重要なテーマとなり、それに伴って生体認証をより有効活用する方向に進む。またバーチャル通貨が台頭して大量のトランザクションが発生し、さらにパーソナライゼーションがより卓越したものになる。

 またクラウドの領域では、金融機関自身がサービスプロバイダとなり、社内だけでなく顧客や取引先に対してもクラウドサービスを提供していくようになる。また主要戦略としてBanking-as-a-Platformが出現し、自社システムを他の金融機関にも提供していく動きが出てくると思われる。

 そしてソーシャルの領域では、Facebookなどの新しいメディアが、ブランド認知や顧客のロイヤリティ獲得のための方法としてより重要となり、それらがさらに進化して、よりゲーム的な手法を使った、人に優しいインタフェースに変わっていく。

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(出典:ガートナー)


 ただし企業には、マンパワーやコストなど様々な制約がある。宮本氏は「必ずしもこの全てに対応しなければならないということではない」と続ける。

「この中で当面重要なポイントは、モバイル領域においては、より多くの顧客サービスを提供していくことや決済方法の変化に対応していくこと、インフォメーション領域では、認証についてどういう方法を採用するのか、またクラウド領域では、自社がどんなサービスを、どんな形式で提供するのか、といった項目だ。こうした各領域については、人とお金を割いて研究していく。これが2013年の議論だった」

【次ページ】国内金融機関の進化を考える4つの視点

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