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  • 2015/03/03 掲載

グーグル及川氏の考えるIoT時代のWebアーキテクチャ、HTML5は何をもたらすか?

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「いまWebの新技術を利用することで、開発の自由度が上がり、さらにIoT時代のデバイスやサービスの組み合わせが多彩になる。またWeb技術が汎用ソフトウェア開発技術としても発展してくるだろう」と語るのはグーグルの及川卓也氏だ。同氏は、2014年に話題になった技術トレンドについて紹介するとともに、IoT時代にWebの役割がどう変わっていくのか、またHTML5で実現できる世界とは何かについて解説した。

IoT時代のデバイス連携を視野にWebアーキテクチャをデザインする

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グーグルの及川卓也氏
 1月25日に開催された「HTML5 Conference」の基調講演に登壇した及川氏はまず、2014年を振り返り、話題になった技術トレンドの検索数を示した。

「急上昇したキーワードは、IoT、ウェアラブル、マルチコプター、ロボット、シングルボードコンピュータなどだ。特にIoTは一気に注目が集まった。さらに低価格化やコンテナ技術、ノンプログラミング、オープン標準などが、クラウドの本格的な普及を後押したと思う」(及川氏)

 また及川氏は、本イベントの主役である「HTML5」が標準勧告されたことについても触れた。

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 2014年にChromeに実装されたHTML5の技術として、「Shadow DOM」「Custom Elements」「HTML Imports」「Picture Element」「Web Crypto」「NetInfo」「Dialog Element」「Service Worker」「Web Animations」などが挙げられる。コンポーネンツや暗号化も含めて、Webをアプリケーションとして使うための技術が充実してきた。

「それに呼応する形で、Web前提のモバイルPCであるChromebookや、Firefox OS搭載のスマートフォン・Fx0も日本で発売された」(及川氏)

 では、これらの技術動向を背景として、2015年以降のWebの世界はどのように変化するのだろうか?従来までのWebは、HTML/CSS/JavaScriptで書かれたコードを、HTTPサーバ側に保存し、それらをクライアント側がダウンロードして、ユーザーエージェントを実行するシンプルなモデルだった。このモデルのデバイス連携は、たとえばキーボードやディスプレイ、マウスなどが、クライアント側に接続されるだけだった。

「しかし、IoT時代になるとデバイス連携の仕方も変わってくる。Bluetoothなどでクライアント側のデバイスが集約されて、インターネット経由で直接クラウドにつながるものも出ている。家庭内のコンシューマ・エレクトロニクス製品がインターネットへのインタフェースを持ち、Web経由でそれら自身を制御できるようになってきた。リモコン操作ひとつ取っても、IR(赤外線)でデバイスを操作したり、Web経由でIRを制御してデバイスを操作したり、Web経由でダイレクトにデバイスを操作するなど、いくつもの選択肢が生まれている」(及川氏)

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(出典:及川氏講演資料)

デバイスにインターネットのインタフェースが実装され、Web経由でダイレクトにデバイスを操作するなど多くの選択肢が含まれている

 そうなると認証をどうするのか、あるいはネット経由でのレイテンシ(遅延)をどう担保するか、いろいろな問題を踏まえながら、新しいアーキテクチャを設計していく必要がある。「つまり自由度が上がった半面、全体システムのデザインが複雑になり、難しくなってくる」(及川氏)。

 またサーバ・クライアントモデルで、HTTP RequestとHTTP Responseをやりとりする単純な世界だけでなく、ブラウザに実装された双方向・非同期通信の「Web Socket」では、バイナリコードの送信や、HTTPでないプロトコルも対応する。

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(出典:及川氏講演資料)

ブラウザに実装された双方向・非同期通信の「Web Socket」。バイナリコードの送信など、HTTPでないプロトコルにも対応できる

 及川氏は「HTTPでないプロトコルでバイナリコードをやり取りすることになれば、これは果たしてWebなのか?という哲学的な問題にもなってくるだろう」と論点を示した。

 さらに、Webサーバがマッシュアップという形で他のサービスと連携する場合、現状ではJavaScriptのコードから地図など複数のWebサービスを叩いて使っているが、「HTML5で登場した“Service Worker”(注1)では、ブラウザのなかでインテリジェントなウェブプロキシが動作する。そのため、バックグラウンドでいろいろなスクリプトを実行できる。ブラウザ側で複数のフェッチをかけてロジックを回せるなど、非常に自由度が高い運用が可能だ。これは従来のWebアーキテクチャの仕組みを大きく変えていく可能性がある技術だ」と指摘した。

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(出典:及川氏講演資料)

HTML5で登場した“Service Worker”。インテリジェントなWebプロキシ機能を持ち、従来のWebアーキテクチャの仕組みを大きく変える可能性があるという

(注1)Service Workerとは、リソースの永続的なキャッシュ、およびWebアプリケーションのリソース要求の処理を可能にする新機能のこと。(ネットワーク接続/切断の有無にかかわらず)Webページを開く前でも独自処理を挟み込める。クライアント側に一種のプロキシサーバがあるようなイメージ。

【次ページ】汎用化されたソフトウェア開発のツールとして使われる?

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