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- 2015/06/03 掲載
アマゾン 長崎忠雄社長が語る、クラウドが“新常識”になった8つの理由
AWS Summit Tokyo 2015レポート #awssummit
長崎社長は冒頭、アマゾンの顧客志向がAWSの成長も支えたと説明。「利益をためこむのではなく、お客さまに還元している。AWSもビジネスを開始して49回も値下げをしている」と強調した。
アマゾンのEC事業もかつて、ハードウェアのおもりやメンテナンスに多くの時間を割いていたが、それでもビジネス要求にまったく追い付かなかったという。
「アマゾンが成長の過程で、ビジネスの課題を解決するために生まれたのがAWSだ」(長崎社長)
ここ1年で、Amazon S3の利用量は102%成長し、EC2は93%の成長を見せた。過去30日間に実際に使っているユーザー数(MAU)は100万にのぼる。企業のクラウド活用については、「3年前、4年前に興味を示さなかったお客さまが戻ってきて、このソフトをクラウドで動かしたい、というニーズも非常に多い」という。
なぜそうなったのか。長崎社長は6つの理由を示す。
1.スタートアップでの活用
1つめが、スタートアップ企業での活用だ。スタートアップは、ゼロスタート、既存資産なく自由な発想が可能、低コスト体質、スピード重視といった特徴を持つ。「ビジネスをスタートしたときに、やりたいことが即座に低コストで手に入る。スタートアップで何より重要なのは、トライアンドエラー。それが可能になる」
たとえば、宿泊シェアリングサービスである「Airbnb」もAWSを活用している1社だ。毎日40万人アクセスする同社サービスをわずか5人で運営しているという。日本でも、下記の有名スタートアップ企業がAWSを活用している。
その1社として登壇したのがクラウドワークスの吉田社長だ。吉田社長は、創業時からAWSを100%活用していることを明かし、「前の会社がつぶれて1人だったときから、いま上場にまで至れたのはAWSのおかげだ」と手放しにほめた。
2.スピード・機敏性はあらゆる組織で重要に
クラウド活用が進展した理由として、長崎社長が挙げた理由の2つ目は、俊敏性だ。数年前と比べてもビジネスの変化は激しく「クラウドなしで、スピードが重要になってきている競争に勝つのは困難だ」(長崎社長)。クラウドの俊敏性を活かした事例として登壇したリクルートテクノロジーズ 中尾隆一郎社長は、同社が手掛ける400以上のサービスのうち、予測できるサービスはオンプレで、予測不能、予測の意味がないものはAWSという使い分けをしているという。
「キャンペーンを実施して、前回は通常の150倍のトラフィックだった。ただ、次回は2倍かもしれない。そういうサービスにはAWSが最適だ」(中尾社長)
また、同社が手がけるサービスは、出社前や昼休憩時間などに知らせたいものが多く、同時にプッシュ通知を送ると輻輳してしまう。それが「AWSを活用することで、1秒間で1万4000人に送ることができるようになった」という。これは従来のシステムの340倍に相当するパフォーマンスだ。
【次ページ】機械学習サービス(Amazon Machine Learning)のアマゾンでの導入効果は?
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