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  • 2015/07/08

将棋のプロ棋士が対局後に感想を言い合う意味は? 先を読み、判断する力の身につけ方

ビジネスの現場においては「判断と意思決定」が常に求められるものであるが、判断とは常に一回性のものなので、これの精度が高いのか低いのかということはなかなか評価が難しい。どうやってこの力を伸ばすのかということになると、さらに皆目検討もつかない。そこで今回は「先を読み、判断する」という思考が極めて明瞭に先鋭化する将棋というゲームの練習法に、この力を養うためのヒントを探ってみたい。

プロジェクト進行支援家 後藤洋平

プロジェクト進行支援家 後藤洋平

予定通りに進まないプロジェクトを“前に”進めるための理論「プロジェクト工学」提唱者。HRビジネス向けSaaSのカスタマーサクセスに取り組むかたわら、オピニオン発信、ワークショップ、セミナー等の活動を精力的に行っている。大小あわせて100を超えるプロジェクトの経験を踏まえつつ、設計学、軍事学、認知科学、マネジメント理論などさまざまな学問領域を参照し、研鑽を積んでいる。自らに課しているミッションは「世界で一番わかりやすくて、実際に使えるプロジェクト推進フレームワーク」を構築すること。 1982年大阪府生まれ。2006年東京大学工学部システム創成学科卒。最新著書「予定通り進まないプロジェクトの進め方(宣伝会議)」が好評発売中。 プロフィール:https://peraichi.com/landing_pages/view/yoheigoto

現実社会で先を読んで行動するために! 将棋から学ぶ

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プロ棋士は対局後、すぐに自らの指し手を振り返る
 複数の戦略的オプションからどれかひとつを選ぶときに、人は必ず、「いくら考えても机上の空論では結論が出ない。結局のところ、やってみないと成否はわからない」という困難に直面する。

 ある課題を解決するためのA案とB案があったとして、どちらを選択するか。ショッピングサイトの販売ページであれば、A案とB案両方作ってみて売れ行きがいいデザインを選ぶという、いわゆるA/Bテストを行える。

 しかし、世の中そういうわけにもいかない物事のほうが多い。現実社会には不確定要素が多い。どれだけ読みが正しかろうとも、なんらかの外的要因で成り行きが思惑通りにいかない、ということがほとんどだからだ。

 2つ、あるいはそれ以上の選択肢からひとつを選ぼうとして、必ず望む結果を得たいと強く思った時、誰もが先を読み、判断している。時代の先を読みたいだとか、ビジネスの交渉相手の意図を読みたいだとか、現代に生きる我々は「先を読む」ということに関して異常なほどの執念を燃やしている。

 今回は、先を読むという思考が極めて先鋭化するゲーム「将棋」から、先を読み、判断する力の身につけ方を考えてみたい。

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 40枚の駒と、81マスの盤面上で繰り広げられる将棋というゲーム。思考する要素は有限であるが、その変化は膨大で、局面の数が人間にとっては無限に等しいほどに存在する。その結果、ここに参加するプレイヤーは「先を読み、判断する力」の優秀さが試されるのだ。

 「局面の数が、実質的に無限」ということは、どちらの側も「完全な読み」はできない、ということを意味する。ここで不思議なのは、互いに不完全な読みを展開しているのに、それでもプレイヤーの強弱にハッキリした傾向があらわれるということである。

 これは素人同士の場合、はっきりとした強さの違いがあると勝率は100%に近いほどとなったりする。100%勝っている方も、素人なのでその「読み」の質が高いということは全くない。それでも、実力にある程度の隔たりがあると、ほぼ確実に勝てる。

 これは、「読み」の力はさておき、ある程度経験を積んだことによる「判断」の力が増した結果であると考えられる。

【次ページ】愚直で具体的に「読み」、メタで抽象的に「判断する」

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