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  • 2015/09/09

福井県鯖江市に学ぶ、クラウドファンディングによる「ふるさと投資」の可能性

事業費不足に悩む自治体の新たな財源として、「クラウドファンディング」に注目が集まっている。福井県鯖江市が全国展開するクラウドファンディングサービスのエリアオーナーとなり、積極的に資金調達に乗り出したのをはじめ、島根県や埼玉県もクラウドファンディングサービスの運営会社と協力関係を築いて市町村の資金調達を支援している。政府もクラウドファンディングを活用した「ふるさと投資」を推奨しており、今後急速に広がりそうだ。

政治ジャーナリスト 高田 泰(たかだ たい)

政治ジャーナリスト 高田 泰(たかだ たい)

1959年、徳島県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。地方新聞社で文化部、地方部、社会部、政経部記者、デスクを歴任したあと、編集委員を務め、吉野川第十堰問題や明石海峡大橋の開通、平成の市町村大合併、年間企画記事、こども新聞、郷土の歴史記事などを担当した。現在は政治ジャーナリストとして活動している。徳島県在住。

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鯖江市は「ふるさと納税」よりも「ふるさと投資」に力を入れる
(Photo by oben901/Fotolia)

クラウドファンディングとは

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 クラウドファンディングとは、英語の群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、企業や個人、自治体が製品、サービスの開発やアイデアの実現のため、インターネットを通じて資金提供や協力を募ることを指す。20世紀末から欧米で盛んになり、ここ数年で急速に拡大している。

 クラウドファンディングには、配当、報奨金などリターンの方法によって寄付型、投資型、購入型、貸付型、株式型などに分けられる。米国では主に映画、ゲーム、音楽産業で利用され、日本円にして数億円の資金を集めた例もある。内閣府地方創生推進室によると、2015年の市場規模は全世界で4,300億円、国内で100億円と推計されている。

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日本の主要クラウドファンディングの月次推移
(出典:visualizing info


 日本語で利用できるプラットフォーム(仲介事業者)は数10とも200弱ともいわれている。国内市場規模は世界全体と比べ、ごくわずかでしかないが、その分成長の余地が大きく、制度が広く認知されるようになれば、利用が一気に拡大しそうだ。

自治体がプラットフォームを運営

 クラウドファンディング事業に国内の自治体として本格的に参入したのが、福井県鯖江市だ。クラウドファンディングサービス「ファーボ(FAAVO)」のエリアオーナーとなり、2014年12月から「ファーボさばえ」を開設。プラットフォームに近未来型メガネの開発、橋立山に設置されているメガネ広告塔の再生など事業ごとの目標金額と事業に対する思いを掲げ、賛同者の投資を募っている。

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FAAVOさばえの仕組み
(出典:鯖江市記者発表資料)


 福井県嶺北地方の中央部に位置する鯖江市は、人口約6万8,000人。メガネフレームの産地として知られ、シェアは国内で96%、全世界でも約20%を占める。他に漆器や繊維産業が古くから盛んなところだ。しかし、市の財政が厳しく、財源確保が頭の痛い問題となってきたため、クラウドファンディング事業に乗り出した。

 市によると、2014年度に3事業で資金を募ったところ、いずれも目標額を達成し、210万円余りを集めた。市西山動物園のレッサーパンダ舎の設備費は、わずか2週間で目標の100万円を集めている。2015年度は10事業で資金募集しているが、うち5事業は合計約555万円を集めて、すでに目標額を達成した。残り5事業も順調に資金が集まり、実施のめどが立ちつつあるという。

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