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  • 2015/12/24

「当たり前」のことしか載っていない? 「孫子の兵法」から本質を体得するには

現代人が陥りがちな「孫子の兵法」の落とし穴(前編)

戦略論の元祖といえば「孫子の兵法」ということで、毎月毎月、孫子をテーマにしたビジネス書がいくつも出版されている。どのような入門書から入っても必ず目にする言葉は、「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」である。一見すると金言のようだが、よくよく考えれば当たり前で、いわば「売上に対して原価と経費が下回れば、黒字である」と言っているようなもの。はたしてわれわれ現代人は、孫子が語った言葉の真意を体得することは可能なのであろうか?

プロジェクト進行支援家 後藤洋平

プロジェクト進行支援家 後藤洋平

予定通りに進まないプロジェクトを“前に”進めるための理論「プロジェクト工学」提唱者。HRビジネス向けSaaSのカスタマーサクセスに取り組むかたわら、オピニオン発信、ワークショップ、セミナー等の活動を精力的に行っている。大小あわせて100を超えるプロジェクトの経験を踏まえつつ、設計学、軍事学、認知科学、マネジメント理論などさまざまな学問領域を参照し、研鑽を積んでいる。自らに課しているミッションは「世界で一番わかりやすくて、実際に使えるプロジェクト推進フレームワーク」を構築すること。 1982年大阪府生まれ。2006年東京大学工学部システム創成学科卒。最新著書「予定通り進まないプロジェクトの進め方(宣伝会議)」が好評発売中。 プロフィール:https://peraichi.com/landing_pages/view/yoheigoto

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「孫子の兵法」に記されている言葉は本当に金言なのか?

 戦略論の元祖といえば「孫子の兵法」ということで、毎月毎月飽きもせず、驚くべき数の孫子解説書が出版されている。

 事業戦略論から始まって、スタートアップの生き残り戦略、営業マンの仕事術から中小企業の経営指南、本格的な翻訳・新訳企画にチャート式図解、マンガ解説と、あらゆる観点・切り口で、二千五百年以上も前の書物が研究され、解説され続けている。

 しかしその原文は、驚くほどシンプルである。そのオリジナルは、印刷技術どころか紙すらなかった時代に書かれたもので、長い歴史のなかで数え切れない人の手によって、人力カット&ペーストで受け継がれてきた。そのなかで、様々なバージョン違いが生み出されては消えていったわけだが、結果、現代に流通している原稿本は、文字数にしてたった約四千字の書である。

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 そのなかで、現代日本人が注目するフレーズの総文字数といえば、数百字にも満たない。上場企業の役員も、注目スタートアップの新鋭起業家も、売上を伸ばしたい営業パーソンも、中小企業の経営者も、行き着く先は同じである。

 どのような入門書から入っても、必ず目にする言葉は「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」。しかし、このフレーズをただ読んで納得したとして、そこに何があるのだろうか?

 この言葉を現代語訳すれば「相手のことを知って、自分のことを知ったら、百回戦っても負けない」となる。どこからどう突っ込みを入れようとも、この論理に瑕疵を発見することはできない。しかし、「このフレーズが意味するところのものが、実際のところ、どういうことなのか」ということは、意外と語れることが少ないようである。

 「相手のことを知って、自分のことを知ったら、百回戦っても負けない」というけれども、「相手のことを知る」とはどういうことなのだろう?百回戦っても負けないためには、何をどの程度知ることができれば良いのだろうか?

【次ページ】言われてみれば当たり前、孫子から得られるものはあるか?

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