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  • 2016/04/15

PaaSの比較・検討方法をガートナーが解説 SFDC、MS、IBM、DELL Boomiのどれがよいか

ガートナーは、2018年までにエンタープライズ・アプリケーションの25%がPaaS(Platform as a Service)に移行すると予測する。開発者の生産性を向上しながら、運用の負荷を低減し、ホスティングを高密度化できるからだ。ガートナー リサーチ部門 バイスプレジデント兼最上級アナリストのアン・トーマス氏は「PaaSは、SaaS、IaaSの後に注目を浴びるが、我々はPaaSから始めるべきだと考えている」と指摘する。ではどのようにして、自社に最適なPaaSを選択すればいいのか。トーマス氏がPaaSベンダーの動向や比較・選択のポイントを解説する。

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ガートナーによれば、エンタープライズ・アプリケーションの25%が2018年までにPaaSへ移行するという


PaaSとは何か?テクノロジーアーキテクチャはどうなっているのか

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 「ガートナー エンタプライズ・アプリケーション&アーキテクチャサミット2016」で登壇したトーマス氏はまず、クラウドプラットフォームとして、PaaSを含めてどんな選択肢があるのかを整理した。

「現在提供されているクラウドプラットフォームサービスは、プロバイダが提供するシステム領域と、ユーザー企業が自社で管理しなければならない領域の違いで区分していくことになる」

 1つめがIaaSで、マイクロソフトやアマゾン(AWS)など外部のプロバイダーに依頼してシステムインフラを提供してもらう形態だ。いわば仮想マシンの弾力性をプロバイダが管理し、その上のすべての層、即ちリソースオーケストレーション、ミドルウェアプラットフォーム、生産性のアクセラレータ、アプリケーションの管理をユーザー企業が担当する。

 またシステムインフラに加えてリソースオーケストレーションまでプロバイダが担当する形態をトーマス氏は「IaaS+」と表現する。

 次が「PaaS」で、IaaS+の領域に加えて、ミドルウェアもプロバイダが管理してくれる形態(システムインフラ+リソースオーケストレーション+ミドルウェアプラットフォーム)となる。

 さらに「PaaS+」になると生産性のアクセラレータまでをプロバイダが提供してくれる。

 そしてSaaSは、PaaS+の領域に加えてアプリケーションまでをプロバイダが提供してくれる形態で、ユーザー企業はSaaSのアプリケーションにデータを投入することで、すぐにそのアプリケーションを活用できるようになる。

「IaaSからSaaSに向かう場合、より短期間に価値を得ることができる構造のものと言える。また逆にSaaSからIaaSに向かう場合は、より独自性の高いソリューションを稼働させることができる構造のものと言える」

 次にPaaSの詳細なテクノロジーアーキテクチャの階層について、一番下に位置するのがシステムインフラ層で、ここに相当するのがIaaSあるいは自社独自のデータセンターだ。

 その上に載るのがPaaSのフレームワーク層で、ここには3つの基本的な能力が含まれることになる。1つめがWebスケールのパフォーマンス管理で、プラットフォーム全体のオートスケーリングを可能にし、システムの弾力性を担保し、さらには自動リカバリなども行うものだ。

 2つめがテナントコントロールの機能で、これがテナントの分離や管理、セルフサービスなどを可能にする。そして3つめがプラットフォームを管理する機能で、PaaS環境の監視やチューニング、あるいはソフトウェアの継続的なバージョン管理などを行う。

 そしてその上に、ミドルウェアプラットフォームサービス(xPaaS)と呼ばれる層が位置し、ミドルウェアとして複数タイプのPaaS環境をサポートする。このxPaaSの上に、フレームワークやテンプレートを起動させたり、新たなアプリケーションを構築可能にしたりするアクセラレータが載り、最上位にユーザー企業独自のアプリケーションが載ることになる。

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PaaSテクノロジ・アーキテクチャ
(出典:ガートナー)


PaaSの選定前に、プログラミングモデルや展開場所などをチェックしておく

 ではPaaS市場の中では、どのような選択肢があるのか。

「まず単一機能型のPaaSか、多機能型のPaaSかという選択がある。たとえば前者では、統合インテグレーションのプラットフォーム(iPaaS:Integration PaaS)としてDELL Boomiがあり、クラウドとクラウド、あるいはクラウドとオンプレミスの統合を可能にする。またAPIのプラットフォーム(apiPaaS)としてRestletのAPISparkがあり、自社サービスの前にAPIを迅速に展開することを可能にする」

 これに対して多機能PaaSは、複数のプラットフォームサービスをプラグインしたもので、iPaaSやaPaaS(Application PaaS)、dbPaaS(データベースPaaS)などを1つのPaaSフレームワークの中に包含するものだ。レッドハットのOpenShiftやIBMのIBM Bluemixなどが挙げられる。

「時としてPaaSスイートという形で、単一のベンダーがiPaaSやapiPaaSなどすべてのPaaSをまとめて提供している場合もあるが、すべてのPaaSの能力を単一ベンダーから調達する必要はない。複数ベンダーを選択して、組み合わることでも十分に対応可能だ」

 また、どのようにPaaSを使うかに大きく影響を及ぼすのが、プログラミングモデルだ。

「PaaSは2つのタイプに分類できる。1つめが高コントロールを実現するもので、この場合はJavaやGo、Rubyといった3GL(第3世代言語)を活用してアプリケーションを開発していく。代表例がIBM Bluemixだ。もう1つは4GLモデルベースで、高生産性を実現するものだ。こちらはコードを書くのではなく図を描き、その図から直接コードを生成するものと、ランタイムシステムとしてモデルを動的に解釈してくれるものとがある。この例としてはOutSystemsがある。そして3GLと4GLの両方をサポートするのがセールスフォースで、またオラクルは統一プラットフォームを提供し、高コントロールおよび高生産性の環境を1つのソリューションで提供する」

 さらにPaaS選定時に考慮すべき点が、どこにPaaSを展開するのかだ。

「プロバイダによっては、パブリックのみしか選択肢のないところがある。またホスティングされた専用環境に置くのか、プライベートクラウド環境のみをサポートしているのか。あるいはオンプレミスとIaaSのハイブリッド環境をサポートできるプロバイダなのか。PaaS選定時には、こうした点もチェックしておく必要がある」

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導入環境は、パブリック、専用、プライベート、ハイブリッドのどれか
(出典:ガートナー)


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