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  • 2014/08/25

総合商社 丸紅はなぜAWSへ全面移行したのか?移行に活用したP2V2Cとは?

連結売上高13.6兆円、グループ従業員4万名を誇る総合商社の丸紅。同社は、2008年に構築したプライベートクラウドを、更新時期の到来に合わせてパブリッククラウドに全面移行することを決断した。営業支援ツールはSalesforceを、コミュニケーションはOffice 365を、基幹系とグループクラウドにはAWS(Amazon Web Services)を採用した。巨大な組織が、全面的にクラウドを採用するにいたった背景は何だったのか。また、その具体的な移行計画はどのようなものなのか。丸紅 情報企画部長 徳田幸次 氏が、その全容を説明した。

フリーライター 井上健語

フリーライター 井上健語

フリーのテクニカルライター。コンシューマからエンタープライズまで、初心者向けの記事からテクニカルな解説記事、広告記事、企業取材記事などを手がける。執筆した書籍はこれまでに約80冊。オールアバウトでは「パソコンソフト」「ワード(Word)の使い方」「MS Officeの使い方」のガイドもつとめる。2008年からWordカテゴリーでのMicrosoft MVP。
個人ホームページ:http://www.makoto3.net/
facebook:http://ja-jp.facebook.com/inouekengo

プライベートクラウド更新、災害対策、ITガバナンスなどの課題解決のためIT戦略を立案

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丸紅
情報企画部長
徳田 幸次 氏
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 丸紅は、従業員が約4300名(グループでは約4万名)、連結の売上が約13兆6300億を誇る総合商社である。国内10カ所、海外は64カ国117カ所に事業所をかまえ、グローバルでビジネスを展開している。この巨大な組織を支える情報企画部は49名にのぼる。AWS Summit Tokyo 2014に登壇した情報企画部長の徳田幸次氏は、同社が抱えていた課題を次のように説明した。

「2008年にプライベートクラウドを構築し、物理サーバ150台を段階的に仮想環境に集約したが、時間の経過とともに、大規模な一括更新という課題に直面していた。また、2011年の東日本大震災をきっかけに、会社から、災害対策としてデータセンターを2カ所にするように指示も出ていた。しかし、それだと物理サーバ・ストレージにかかるコストが倍になり、償却時期の異なるハードウェアが存在することになるため、本当にそれでよいのか、という思いもあった」(徳田氏)

 また、グループにおけるITガバナンスにも課題があった。丸紅には約450社のグループ会社があるが、各グループ会社がそれぞれのシステムを独自に維持・管理していたため、ITがバラバラだったのである。そこで、2013年4月、グループとしての最低限のガバナンスを保つため、グループITガバナンスルールが制定された。

「グループITガバナンスルールによって、各グループ会社に災害対策が必要なシステムを洗い出してもらった。そして、我々がグループクラウドを用意し、システムをそこに集約することにした。これにより、グループ各社は、アプリに手を入れることなく災害対策が実現でき、かつコストも下がるというメリットを享受できた」(徳田氏)

 そして、情報企画部はグループクラウドも含めたグランドデザインとなるIT戦略を立案。「営業支援ツール」「基幹システム」「グループクラウド」の3つの領域において、「セキュリティ」「コスト」「安定運用」の3点で高いパフォーマンスを発揮できる共通ITサービスの検討が行われた。

グループクラウドにAWSを採用し、P2V2C戦略でシステムをクラウド化

 IT戦略の立案では、けっして「クラウドありき」ではなく、自社運用も含めて評価が行われたが、結果としてクラウドが選択されることとなった。その結果、営業支援ツールはSalesforce、メール等のコミュニケーションツールはOffice 365、基幹系とグループクラウドについてはAWSが採用されることになった。

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「グループ統合ネットワークを構築し、セキュリティ基盤を提供して安全な環境を作り、その上で、グループ各社には、営業支援ツール、基幹システム、グループクラウドを使ってくださいというのが基本的な考え方。もちろん強制ではなく、自社でやりたいところはそれでもよいというスタンスだ。基幹系・グループクラウドのAWS移行後は、本番系がAWSの東京リージョン、待機系がAWSのシンガポールリージョンで稼働する予定だ」(徳田氏)

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 しかし、絵を描くのは簡単だが、丸紅のように国内・海外に数多くの事業者があると、その作業は困難を極める。 そこで、移行の手法としてはP2V2C(Physical to Virtual to Cloud)戦略が採用された。

【次ページ】IT部門を運用部隊から戦略立案部隊へとグレードアップする

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