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- 2017/01/26 掲載
個人輸入ビジネスは本当に稼げるか? 貿易アドバイザーに聞いてみた
中森勇人(なかもりゆうと)
経済ジャーナリスト・作家/ 三重県知事関東地区サポーター。1964年神戸生まれ。大手金属メーカーに勤務の傍らジャーナリストとして出版執筆を行う。独立後は関西商法の研究を重ね、新聞雑誌、TVなどで独自の意見を発信する。
著書に『SEとして生き抜くワザ』(日本能率協会)、『関西商魂』(SBクリエイティブ)、『選客商売』(TWJ)、心が折れそうなビジネスマンが読む本 (ソフトバンク新書)などがある。
TKC「戦略経営者」、日刊ゲンダイ(ビジネス面)、東京スポーツ(サラリーマン特集)などレギュラー連載多数。儲かるビジネスをテーマに全国で講演活動を展開中。近著は「アイデアは∞関西商法に学ぶ商売繁盛のヒント(TKC出版)。
公式サイト http://www002.upp.so-net.ne.jp/u_nakamori/
実はおかしい「定価制度」、個人輸入なら価格決定権を持てる
「日本には約450万社の企業がありますが、そのうち70.3%は赤字と言われています。理由はさまざまですが、要因のひとつとして、『メーカー主導の定価制度の存在』が挙げられます」と語るのが、AIBA認定貿易アドバイザーで、『個人ではじめる輸入ビジネス(KADOKAWA)』の著者である大須賀祐 氏だ。
「定価制度によって商品の上限が決まっているために、固定費に必要な利益率を稼ぐのがやっと。世界中を見渡しても、日本のような国はありません」(大須賀氏)
同氏は、「一方で、個人輸入ビジネスはこうした定価制度は関係ありません」と語る。個人輸入ビジネスとは「利益の薄い『フランチャイジー』から価格決定権を持つ『フランチャイザー』へ転換することだ」という。
大須賀氏は、個人輸入ビジネスによって海外のメーカーの力を借りることでビジネスの仕組みがつくれると主張する。さらに、国内ではメーカーの立場になることから、明らかに自分より格上の存在である上場企業を相手に対等に商売ができるというのだ。
個人輸入ビジネスを成功させる「値付け」のコツ
同氏は「最低でも、現地で提示された原価の5倍の定価を設定します。これで高いと感じるならメーカーに値引きを申し入れます。ちなみに海外では値引きは当たり前。相手もネゴシエーション(ネゴ)をされることを想定して値付けをしていますから、問題ありません。原価の安いアジアなら10倍以上が通常です」という。
では、相手がネゴに応じなければどうすれば良いのか。大須賀氏は「その時は諦めればいい。というのもこの値付けの舞台は海外の見本市なので、売り手はいくらでもあるから」と理由を説明する。
「海外の見本市は、世界各国で頻繁に行われています。たとえばドイツフランクフルトで開催される世界最大規模の「Ambiente(アンビエンテ)」では4811社もの出展があり、参加者は13万5000人(2015年実績)にも上ります」(大須賀氏)
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