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2017年07月12日

インド「物品・サービス税」とは何か? ハイテク活用で税法順守事業者に「格付け」を

今月1日、インドで1947年の独立以来最大の税制改革とされる物品・サービス税(GST)の導入が始まった。モノとサービス、さらに取引内容によって異なっていた複雑な税体系を一気に単純化したGSTは、何を変え、インド経済にどのような影響を与えるのか。アジアでの事業者活動を支援するエクシール・エフ・エー・コンサルティングのインド人コンサルタント ガガン・パラシャーが、現地から最新情報を解説する。

執筆:エクシール・エフ・エー・コンサルティング ガガン・パラシャー
(訳:エクシール・エフ・エー・コンサルティング 大塚賢二)

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インド「物品・サービス税」はインドの何を変えるのか

(© swisshippo – Fotolia)


インドの物品・サービス税(GST)が変えるもの

 インドのナレンドラ・モディ政権は、アジア第3の経済圏を大きくテコ入れするために、全土29州との調整を経てGST導入に踏み切った。対象となる品目は、砂糖から鉄製パイプ・クルーザー船にまで1,200超に及ぶ。これらの品目に概ね0〜28%までの5段階からなる基本税率が適用される。GST導入により、20以上の異なる税体系が税率コードに一本化され、実務上、欧米、ブラジル、メキシコ、日本といった主要国と同じ、評価の高い税システムの土俵にのることになる。

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(クリックで拡大)

GSTエコシステムの主な構造

(出典:エクシール・エフ・エー・コンサルティング)


 インドではモノ・サービスへの支払にかかる税逃れの蔓延ぶりが目を覆うばかりであったため、多方面から改革の必要性が指摘されていた。今回の税制改革は、国民への心理的インパクトも大きく、大規模な変化をもたらすものだ。

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 納税に係る全般的な改革によって、インドでのビジネス現場は徐々に変容を迫られるであろう。世界でも類を見ない速度で2兆ドル規模にまで成長したインドだが、これまで国内外の企業を含む事業者から、複雑な税制が円滑な経済活動の妨げとなるため税制改革を求める声が大きかった。GST導入によってこうした要望は鳴りを潜め、国中にめぐらされた納税システムによって、政府の税収はきっと増加する。

 専門家は、新たな税率を、モノやサービスに直接適用でき、何といっても予想外に低いという点で評価している。

 モディ首相は政敵に邪魔されることなく改革を公にするまでに至ったと言われているようだが、金融の専門家や調査機関の間には、関係者が議論の末新しい税率コードに合意はしたものの、現時点では導入の過渡期であるため、インド経済への実質的な影響を見極めるには時期尚早であり、昨年11月の高額紙幣廃止以降10カ月は待つ必要があるのではといった少数意見もある。

税率をめぐるビジネスと政府の綱引き

 関係者は性急な導入を危惧してきており、9月1日の導入を立法府に要請してきた。関係者、特にインドGDPの30%を超える中小事業者は、新たな枠組みを組織内にもれなく徹底させるにはもう少し時間が必要だと主張している。しかし、予想外に低い新税率のため、同様の税制を導入済みの諸外国とは違い、大きな混乱とはならないかも知れない。

 政府の意図に沿い、妥当と目されるレベルから税率が引き上げられていれば、混乱を招くことになっただろう。だが実際には、そうはならなかった。これまでの複雑な税率体系と違い、新税率はモノやサービスにそのまま適用できるものだ。それに加えて、議論の進展中、総じて税率は予想の範囲内あるいはそれよりも低いものであった。

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