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  • 2017/11/17

ビジネス向けAPI開発方法、ガートナーが推奨する5ステップとは

デジタルビジネス時代にはアプリケーションの開発方法が抜本的に変わる。良いものを開発したから外部に売るというのではなく、顧客の需要に合わせてビジネスを作らなければならない。こうした時代には、機能よりもまず、俊敏性や拡張性といった非機能要件が重要になる。アプリケーション開発のカギを握るAPIファーストの考え方について、ガートナージャパンのリサーチ部門でリサーチディレクターを務める飯島公彦氏が解説する。

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APIエコノミーは話題だが現実のビジネスに落とし込むにはどうすればいいのか
(© wladimir1804 – Fotolia)

※本記事は「Gartner Symposium/ITxpo 2017」の講演内容をもとに再構成したものです。

デジタルビジネスは拡張性や自律性などの「非機能要件」が大切

 デジタルビジネスを始めるためには、発想の転換が必要になる。今後は、アプリケーションの作り方を改革する必要がある。ここで注目すべき新しい潮流の1つが、API(Application Programming Interface)である。

 デジタルビジネスは、アプリケーションにコペルニクス的発想の転換を迫る。従来は、利用者がアプリケーションの場所に出向き、アプリケーションが定めるスタイルで仕事をしてきた。今後は、まったく逆の状況になる。アプリケーションが利用者に寄り添う。

 今後のアプリケーション開発では、視点の変化も求められる。良いものを開発したから外部に売る、というやり方は通用しない。顧客の需要に合わせてビジネスを始めるスタイルに変えなければならない。顧客同士や顧客とパートナ間のコミュニケーションを支えることも大切になる。

 現在は、機能を作ることが重要視されているが、アジリティ(俊敏性)やスケール(拡張性)や自律性といった非機能要件が重要になる。自律性では、イベントの発生をトリガーに処理を自動実行するといった、新しいスタイルのアーキテクチャが求められる。

 従来のアプリケーション開発のスタイルは、機能を網羅的に集めて、1つの多機能型のアプリケーションとして実装していた。ユーザーが操作して動かし、個々の機能はライブラリのように密結合でリンクしていた。

 一方、モダンスタイルのアプリケーションは、在庫を調べるアプリケーションなどのように、目的が限定的で単機能である。機能セットの小さなアプリケーションを組み合わせて、1つの大きな業務を作る。これによりアジリティや拡張性を実現する。

 機能(アプリケーション)と機能(アプリケーション)は、Web APIなどを介して疎結合でつながる。自律性も確保しており、イベントの発生をトリガーにして自動的に動作することもできる。

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デジタルビジネスではアプリケーションのスタイルにも変化がある
(出典:ガートナー)


 現在のアプリケーションには多様性がある。従来のような決め打ちのスタイルではなく、小さく作った機能(アプリケーション)を束ねてさまざまな業務を作ることができる。こうしたスタイルがデジタルビジネスの基盤には必要になる。

 APIは、社内および社外のエコシステムを円滑につなぐカギになる。従来は、アプリケーションを作ってからアプリケーション同士をつないできた。現在はAPIファーストであり、つながることが前提である。開発の主軸は、UI(ユーザーインタフェース)の開発からAPIの開発へと移った。APIがビジネス上の意味合いを持っている。

APIはビジネス商品なので顧客体験(CX)が重要

 APIを利用する目的は、大きく3つある。データ共有(モバイルやIoTを使って在庫を調べるAPIなど)、ビジネスチャネル(銀行口座の参照系/更新系APIなど)、新しいビジネスモデル(複数の中古車マーケットを束ねて横串で検索するAPIなど)の3つである。ビジネスに習熟していなければAPIを活用することはできない。

 内部の機能をAPIで公開する、という発想に立ってはならない。利用者ファーストの視点で、利用者のインタフェースとなるのがAPIだからである。APIは企業の顔になる。API自体が、ビジネス商品としての意味合いを持つ。誰に使わせたいのか、どういう場面で使わせるのか、を明確にしなければならない。

 APIは商品なのだから、機能だけでなくカスタマーエクスペリエンス(CX、顧客体験)も重要である。利用者が使いたいと感じる“エクスペリエンスAPI”を外部向けのAPIとして作る必要がある。素材としての内部APIをもとに、外部APIに変換する仲介層が必要になる。エクスペリエンスAPIはほとんどの企業には存在しないが、ここを考えることが必要な事項になる。

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