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- 2019/05/23 掲載
元 特命全権大使 馬淵氏が語る「メディアに“洗脳”されないための3か条」
1946年京都府生まれ。京都大学法学部3年在学中に外務公務員採用上級試験に合格し、1968年外務省入省。1971年研修先のイギリス・ケンブリッジ大学経済学部卒業。2000年駐キューバ大使、2005年駐ウクライナ兼モルドバ大使を経て、2008年11月外務省退官。同年防衛大学校教授に就任し、2011年3月定年退職。2014年4月より現職。著書に、『国難の正体』(ビジネス社)、『世界を操る支配者の正体』(講談社)、『アメリカの社会主義者が日米戦争を仕組んだ』(KKベストセラーズ)、『2017年世界最終戦争の正体』(宝島社)、『2019年世界の真実』(ワック)などがある。
情報操作や洗脳工作に対する免疫力をつけるために
知る、ということは、情報操作や洗脳工作にやられない免疫力をつける、ということです。私はこれを精神武装と呼んでいます。ところで、情報操作や洗脳工作を具体的に担ってきたのがメディアです。本記事ではメディアの本質をズバリ解説したエドワード・バーネイズの言葉を紹介します。私たちには馴染みが薄いこの人物は、自著『プロパガンダ』(邦訳は成甲書房)において、
「世の中の一般大衆が、どのような習慣を持ち、どのような意見を持つべきかといった事柄を、相手にそれと意識されずに知性的にコントロールすることは、民主主義を前提とする社会において非常に重要である。この仕組みを大衆に見えない形でコントロールすることができる人々こそが、現在のアメリカで「目に見えない統治機構」を形成し、アメリカの真の支配者として君臨している」
と、メディアの隠された目的を喝破しています。
そこで、私が基本としている歴史の見方、情報分析の方法について述べておきたいと思います。基本は、次の3つです。
1.情報は公開情報のみで分析する
2.裏情報には危険があるので近づかない
3.結果から原因を類推する
これらを一つずつ解説していきましょう。
情報は公開情報のみで分析する
たとえば、2017年1月の産経新聞ですが、「正論」というコラムのタイトルに《「グローバル化」が諸悪の根源か むしろ機械や技術が職を奪っている 要因の冷静な分析が必要だ》というものがありました。ある東京大学名誉教授の経済学者が書いたコラムです。
ここには、「グローバル化は諸悪の根源ではない」ということを常識化したいという意図があります。これが洗脳です。メディアの報道あるいはメディアが提供してくる情報とはそういうものだということをまずふまえておく必要があります。
【次ページ】裏情報には危険があるので近づかない
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