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  • 2021/11/08

ホリプロに直撃取材、「投げ銭ビジネス」はタレント事務所の福音となるか?

【連載】エンタメビジネスの勝ち筋

韓国企業が運営する『PLAYBOARD』の「YouTubeスーパーチャットで多く投げ銭を得た配信者のランキング(2020年度)」を見ると、日本人クリエイターがトップ10のうち9つを占めています。驚くべきことに、そのほとんどが日本企業が運営するVtuber事務所に所属するタレントです。「投げ銭ビジネス」の普及によってクリエイターが直接収入を得ることができるようになった時代にも、タレント事務所の存在意義はありそうです。デジタル時代において、クリエイターのマネジメントはどれほど重要になるのでしょうか。ホリプロでデジタルビジネス戦略と企画を担当している岡部亮一氏にお聞きした。

京都精華大学 准教授 富樫佳織

京都精華大学 准教授 富樫佳織

学習院大学法学部卒業。早稲田大学商学研究科修了(MBA)NHK(日本放送協会)、放送作家、WOWOWでのプロデューサーを経て現職。専門は、ビジネスモデル、イノベーション・プロセス、コンテンツビジネス、マーケティング。放送番組の受賞歴として『Blueman Group Connect to Japan』(WOWOW)での第40回国際エミー賞アート番組部門ファイナリスト、第2回衛星放送協会オリジナル番組アワード中継番組部門最優秀番組、映文連アワード2013「ソーシャルコミュニケーション部門」部門優秀賞、ほか。著書に『この一冊で全部わかる ビジネスモデル』(2020年、SBクリエイティブ)『やわらかロジカルな話し方』(2017年、クロスメディア・パブリッシング)。

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ホリプロ
映像事業部WEBビジネス部
部長
岡部亮一氏

「投げ銭」の普及は、何を変えたか?

 2010年代以降、YouTubeの「スーパーチャット」をはじめ、「SHOWROOM」や「17LIVE」といった「投げ銭」のできるプラットフォームが誕生し、コロナ禍でイベント中止が相次いだ2020年には、ライブ配信市場が急速に拡大しました。このような「投げ銭ビジネス」の普及は、アーティストのファンによる応援活動にどのような影響を与えているのでしょうか。

 そもそも「投げ銭」による応援活動は、アナログ時代に行われていた手紙やプレゼントを渡す方法、CDを複数枚購入するといった方法とは形は異なりますが、金銭の支払いを伴う応援活動という点において、本質的には変わっていません。それでは、何が変わったのでしょう。

 ホリプロ 映像事業部WEBビジネス部 部長の岡部亮一氏は、「スーパーチャットのようなプラットフォームを介してアーティストと関われるようになったことで、距離と時間の制約がなくなる気軽さから、イベント参加者の母数が増えています。また、コロナ禍になったことで、そもそもデジタルでのイベントを期待する声をいただくようになりました。特に、声優や舞台俳優など、テレビ番組にあまり出演しないアーティストに関しての要望が高い傾向があります」と解説します。


クリエイターマネジメントの新たな課題

 このように、プラットフォームを通じたクリエイターの表現活動が盛んになる中、ホリプロのようなマネジメントビジネスを展開する企業にとっては課題もあるようです。

 1つは、プラットフォーム上でファンからアーティストへ贈られた投げ銭の金額は、すべて可視化されてしまう点です。そしてもう1つは、アーティストの個人アカウントを使用した活動は、その収益についてマネジメント側が金額を把握できない点です。

 岡部氏は、「タレントマネジメントは、出演交渉やスケジュール調整など、さまざまな条件を整え、タレントによってベストの状況を創り出す仕事であり、この調整プロセスに経費が発生します。事務所としては、出演料として得る収入の中からそうした経費をまかない、出演者自身に報酬を支払う形式をとっています。投げ銭システムを利用した活動になると、出演料に代わるタレントの収入額が可視化されるため、適正な利益の配当をどのように考えるかなど、難しい問題をクリアする必要がでてくるでしょう」と話します。

【次ページ】投げ銭はタレント事務所の敵か味方か?

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