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  • 2021/11/26

EV充電インフラの世界市場調査、欧米各国はどんな補助や投資で拡大する戦略なのか

世界のEV充電市場は今後5年間にわたり、21%の年平均成長率(CAGR)で成長することが見込まれています。中でも、公共充電インフラと民間充電インフラはそれぞれ18%、23%の成長率で市場が伸長すると予測されています。米国の市場調査会社Power Technology Research(パワーテクノロジーリサーチ)社のサブスクリプションサービス「EV(乗用車EV、eLCV、eトラック、eバス)・EV充電器の世界市場分析 - 30カ国、予測シナリオ、市場予測、成長機会:2018年~2026年」から、世界主要各国のEモビリティ市場について、最新調査結果を紹介します。

編集協力:グローバルインフォメーション

編集協力:グローバルインフォメーション

世界の主要調査会社300社以上とパートナー契約を結び、日本をはじめとする世界各所で市場調査レポートを提供している。パートナーが発行するレポートは複数産業の約10万点におよび、毎月2000点超の新刊が発行されている。レポートの販売のほか、提携先への委託調査の仲介も実施している。
企業URL:https://www.gii.co.jp/

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図1:運輸部門の世界のCO2排出量(Gt)
(出典:IEA)
この記事のポイント
  • 国際エネルギー機関(IEA)の報告によると、世界のCO2排出量は2020年に5.8%減少したが、2021年には再び増加するとの予想が出ています。
  • 充電インフラの不足がネックとなり、世界中の消費者はまだICE(内燃エンジン搭載車)を手放し、EVにシフトすることに消極的です。
  • ドイツ、フランス、英国など多くの国々では、共同住宅が多いため、EV充電インフラ整備の課題が生じています。

世界で進むEV拡大、充電ステーションはこれから

 国際エネルギー機関(IEA)は、全世界の輸送におけるCO2排出量が全体の24%を占めると見積もっています。

 燃料消費により排出される物質はほぼCO2ですが、少量のメタンと亜酸化窒素も含まれており、両方とも地球温暖化係数の高い物質です。

 2020年、パンデミックにより、排出量は5.8%減少し、2Gt近くにまで減りました。これは、歴史的にみても最も顕著な減少率で、2009年の減少率の約5倍となっていますが、通常生活に戻るにつれ、予想された通りに排出量は増加しています。

 自動車、トラック、バス、二輪車、三輪車などの道路車両からくる排出量は、輸送部門のCO2総排出量の約4分の3を占めており、残りは航空および海上での輸送から排出されるものです。

 IEAは、2000年までの排出量の年間平均増加率が1.9%であったのに対して、2019年のCO2排出量の増加率0.5%としています。(図1参照)

 ここ10年で、世界的に見ると電気自動車(EV)の導入が進んでいますが、10億台以上の自動車が道路にあふれている状況で、気候目標を達成するためにはさらなる度導入推進が必要とされます。

 中国は世界のEVフリートの45%、EUは26%、米国は17%をそれぞれ占めています(図2参照)。パワーテクノロジーリサーチ(PTR)の調査によると、使用されている乗用EVの台数は、2020年フランスでは40万9310台、ドイツでは66万9045台、英国は44万7359台、米国は177万8017台です。

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図2:2020年の世界のEVフリートにおいて、使用されている電気乗用車のシェア
(出典:IEA)

 EV導入が目に見えて進んでいる一方で、世界中の多くの消費者はまだICE(内燃エンジン搭載車)を手放し、EVに乗り換えることに消極的なようです。

 その理由は主に、航続可能距離への不安と充電インフラの不足によるものです。民間セクターには、EVの市場が成熟するまでは充電インフラを整えることにとまどいが見られます。

 幸いにも、新しい政治戦略とインセンティブによって、いわゆる「鶏が先か、卵が先か」という議論は、厳しい指導と規制などと同様に淘汰されつつあり、EVメーカーはより環境に優しい輸送機器の製造へとシフトし、それに伴い、充電インフラの整備への投資も増加しています。


住宅インフラの対応がEV導入に影響を与える?

 アパート、マンションなどの共同住宅が浸透している多くの国々では、消費者はプライベート充電でなく、公共充電インフラに大きく依存することになります。公共の充電施設の多くは、道路、ショッピングセンター、レストランやその他商業施設に設置されています。

 複数の家庭が共有して使用している共同駐車場で、一家庭や個人が充電インフラを設置するか否かの判断をすることは困難です。設置費用を誰が負担するのか、誰が充電器を使用できるのか、消費電力は誰が支払うのかといった問題が出てきます。

 その上、ある都市では、建造物が古く、充電器を設置できるスペースがない、建物の構造的に充電器を設置する工事が難しいという課題があります。

 米国など一部の国々では、一家庭で十分なスペースを確保できるため、EVプライベート充電器を設置することが可能ですが、共同住宅の居住者が多数を占める大都市ではやはり、フランス、ドイツ、英国などと同様の課題を抱えており、EV導入の増加を促進するためには、公共の充電インフラに頼らざるを得ない状況です(次ページ図3参照)。

【次ページ】米英仏独ごとのEVの導入目標

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