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- 2023/10/19 掲載
伸びしろが凄い『クレヨンしんちゃん』、“ある国”で関連売上の爆増が期待できるワケ
連載:キャラクター経済圏~永続するコンテンツはどう誕生するのか(第16回)
双葉社『漫画アクション』が生んだ名作群
臼井氏が双葉社に持ち込んだ『だらくやストア物語』は、広告業界を題材とした4コマ漫画『気まぐれコンセプト』(1981年)以来の“業界モノ”として、当時注目されていたテイストに近かったことから新人賞佳作に入選し、その後、週刊誌『漫画アクション』で連載をはじめることになる。
クレしんが掲載されることになった漫画アクションは、1967年創刊とともに『ルパン三世』や『子連れ狼』をヒットさせてきた。休刊の噂が出るたびに『じゃりン子チヱ』(1978~1997)や『かりあげクン』(1980~2003)など“神風”が吹いて再興してきたが、『クレヨンしんちゃん』(1990~2010)が最後の神風となる。2003年には休刊、2004年以降は月2回の刊行となり、近年は10万部台と成人男性向け漫画誌としては5~10位くらいの位置付けにある(双葉社はこの命名にあやかり、2013年から「双葉社カミカゼ賞」を開始している)。
今やドラえもんやコナンに次ぐ国民的キャラクターになったクレしんの主人公「野原しんのすけ」は、臼井氏の処女作『だらくやストア物語』に登場するキャラクター「二階堂信之介」のスピンアウトであった。
本作の担当編集であった林克之氏がこのキャラをふくらませれば面白くなると直感し、単独作として独立させることを提案、1990年8月にクレしんがスタートした(田幸和歌子.『クレしん』30周年、担当編集が明かす「子どもに見せない」から「親子で楽しむ」の変化の過程.ORICON NEWS.2020年8月20日,https://www.oricon.co.jp/special/55030/,2023年10月10日)。
編集長は当時否定的、「幼稚園児が青年誌に出てきておもしろいのか」という調子で、内容もかなり過激な内容で、あくまで「大人向け漫画誌に登場する子供」というキャラクター設定であった(中野 晴行.マンガ雑誌の黄金時代──1985~95年の編集部を語る 第10回 双葉社「漫画アクション」元編集長、現双葉社取締役編集局長・島野浩二. メディア芸術カレントコンテンツ.2020年4月7日, https://mediag.bunka.go.jp/article/article-16162/. 2023年10月11日)

『クレヨンしんちゃん』の売上がさらに伸びそうな国とは? 次のページで詳しく解説します
『クレヨンしんちゃん』の爆発的ヒットのキッカケ
手ごたえが徐々に出てくるのは1991年9月24日号で初めてメイン表紙を飾り、その12月に「クレヨンしんちゃん特集号」が出てきたあたりのころだ。その後、1992年1月には『ドラえもん』(1979~)や『おぼっちゃまくん』(1989)などを手掛けたアニメ制作会社のシンエイ動画により、1992年4月にテレビ朝日でアニメ放送が始まる。
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