- 2025/10/05 掲載
なぜあの人の話し合いは成功するのか? 失敗する人が知らない3段階の説得術(2/3)
まずは相手の機嫌をよくすることが重要
これは最も達成しやすい狙いといえる。相手が少しご機嫌ななめであれば、相手の好きな音楽をかけたり、ワインを振るまったりすればよいだろう。ネコが相手の場合は、マタタビを思う存分嗅がせてあげると効果的かもしれない。向こうが腹を立てているならば、怒りが鎮まるまで待つほうが賢明だ。もしくは共感を示し、起こった出来事について同情してから、解決策を提案してみよう。
ネコが相手のときは通常、ごめんね、などという必要はなく、単刀直入に解決策を示して構わない。ネコは人間より現実的な生きものだからだ。自分のトイレに見慣れないネコがいたとしても、飼い主がそのネコをどかしてあげれば、すぐに平静さをとりもどすだろう(用を足している最中にじゃまされたネコは機嫌を損ねるかもしれないが、それは別問題である)。
ここではまず、1つの狙いとして相手の機嫌をよくすることが重要、という点を押さえておこう。別に相手に勝とうとしているわけではないのである。相手より優位に立ち、自分がいかにすばらしいかを証明するのが目的ではない。ただ相手を気分よく、落ち着いた状態にすればよいだけの話なのだ。
とはいえ話し合いを通して、それ以上のことを相手に求める場合はどうすべきだろうか? たとえば、相手の考えを変えたい、といったようなときだ。実はそのような場合でも、まずは機嫌をよくすることが先決である。それから、次の狙いに向けて以下のプロセスを踏むとよい。
相手の考えを変えることは、不可能ではないが…
相手の考えを変えるのは、機嫌をよくすることより、はるかに難しい。なるほど、おばあちゃんがいくら不機嫌であっても、機嫌をとることなど簡単なはずだ。ところが、ヒップホップに対する考えを一新させるとなるとどうだろう? 一気にハードルが上がるのではないか。では、相手に選挙への関心をもってもらう場合は? 関心を引くだけなら、さして問題ないかもしれない。が、相手の考えを変え、自分の支持する候補に投票してもらうとなると? はるかに難しくなるはずだ。もちろん、ネコが相手の場合でも難度はぐんとアップする。イヌと暮らしたことがないネコに対して、イヌは人間の最愛のパートナーだと説得するとする。そして、ぜひイヌと仲良くなるべきだ、と。
ちなみに、もっと難しい狙いも存在する。 【次ページ】説得は「相手を押さえつけるのが目的」ではない点に注意
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