• 2026/01/22 掲載

「このままだとクビ」と言われた私が、デロイト「上位1%人材」に変わった“思考法”(2/2)

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人生を変えた上司のひと言「仕事ができる人を○○」

 どう変わったら良いのか、そもそも変われるのかどうかさえ分からない……そんな八方ふさがりの状況で、例の「クビになるぞ」と言った役員との面談がありました。

 彼は私にこうアドバイスをくれたのです。

 「とにかく周りの仕事ができる人、うまくいってる人をよく観察して見てごらん。年齢も役職も関係ない。そして、徹底的にまねなさい」と。

 他に何もできることがなかった私は、もう「それしかない」と思いました。はいつくばってでも、うまくいっている人のやり方を盗んでやるしかない。そこから私は、仕事ができる上司や同僚1人ひとりに対して、「なぜ、この会議で、このタイミングで、その発言をしたんですか?」と、1つひとつ聞いて回るようになりました。

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仕事ができる人に共通していた「思考のピラミッド」

 そうして観察とヒアリングを続けるうちに、あるエッセンスが見えてきました。仕事ができる人たちは皆、頭の中に「ピラミッドツリー」のようなものを持っていて、その中で思考を上下させていたのです。

 下にいく動きは「具体化」。物事をより細かく分析したり、詳細化したりする思考です。上にいく動きは「抽象化」。複数の事柄から共通点を見つけ出し、成功法則を導き出す思考です。

 彼らはこのピラミッドの中を自在に行き来することで、物事の解像度を上げ、的確な判断を下していたのです。この発見をもとに、私自身も「具体と抽象の行き来」を意識してトレーニングするようになりました。

■具体化:物事を細かく観察し、解像度を上げる練習
 たとえば、「ダイエット」という抽象的な目標を分解して、

  • 1日で消費するカロリー
  • 何を食べるのか
  • どのような運動をするのか

といった粒度に分解していくなどです。

 あるいは、「ポカリスエットの特徴は?」と聞かれたときに、似た商品(アクエリアスなど」と比較しながら、違いを整理して特徴をつかむ──こうした日常的な練習はビジネスシーンでも即効性があります。

■抽象化:共通点や成功法則をつかむ練習
 一方で、抽象化は、違うもの同士の間に“似ている構造”を見つける思考です。たとえば、「カップラーメンと恋愛の共通点は何か?」という問いに対して、「熱しやすく冷めやすい」といった“似た構造”を見つけていきます。

 こうした考え方はビジネスの世界でも応用されています。たとえばソフトバンクの孫正義社長は、常に世界の時価総額上位5社のリストを社長室に置き、それらの企業の共通点から今後の成長戦略を考えているそうです。

■具体化と抽象化を往復する:「構造化して伝える力」を育てる
 具体化と抽象化を一方だけ鍛えても、実務の現場では十分ではありません。しかし、この2つを往復することで、

  • 課題の分解(具体化)
  • 共通パターンの発見(抽象化)
  • 実行可能な打ち手への落とし込み(具体化)

という“問題解決の型”が自然と身につきます。

鍛えられたのは「構造化して届ける力」

 具体と抽象の思考を鍛えることで、私の中で大きく変わったのは「伝える力」でした。

 人はそれぞれ、見ている世界が違います。「明日の自分の仕事が終わるか」という具体的なことに関心がある人もいれば、「このプロジェクト全体が半年後どうなるか」という抽象的な視点で見ている人もいます。

 相手の立場に立ち、その人が見ている世界に合わせて、話の抽象度を調整して分かりやすく説明できるようになったこと。それが大きな変化でした。

 その結果、私からの提案が通りやすくなり、それによって信頼され、さらに色々なご依頼をいただけるようになるという好循環が生まれました。さらには、世界最大規模のプロジェクトでリーダーを務め、最終的にはデロイトで上位1%の人しか評価されない「S評価」をいただくことができたのです。「構造化して届ける力」は、まさに私の武器となりました。

仕事ができる人は「見えている状態」

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本記事で紹介した具体と抽象の思考力を鍛えられるクイズを62問収録した書籍『頭のいい人になる 具体・抽象ドリル』(書籍タイトルをクリックすると購入ページに移動します)
 今振り返ってみて、デロイトにいた仕事ができる人たちの特徴を抽象的な言葉で表現するなら、「見えている状態」だったと思います。

 お客さまとの打ち合わせでも、お客さまの発言から「他のプロジェクトでもこういうことがあったな」と共通点を探し、課題の本質をすぐに見抜く。チームメンバーそれぞれの強みや弱みを過去の経験から把握し、最適なチームを組成する。そして、1カ月後、2カ月後、3カ月後にどういうアプローチをすれば成果が出るか、その道筋がパッとイメージできる。まさに、解像度が高い状態。それが、彼らの共通点でした。

 この「具体と抽象」の思考法は、一度身につければ終わりではありません。私自身も、コンサルタントとして、そして今は起業家として、その場その場で新しく身につけながら実践しています。

 もし、かつての私のように、うまく説明できない、思考が整理できないと悩んでいる方がいらっしゃれば、ぜひこの「具体と抽象」という武器を手に入れてみてください。

 きっと、あなたの仕事とキャリアを劇的に変えるきっかけになるはずです。

インタビューの様子をフルでまとめた動画はこちら。記事では紹介しきれなかったお話も多数収録していますので、ぜひあわせてご覧ください。


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