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  • 2014/10/15 掲載

AppNexus オーケリーCEOが語るデジタル広告の3つのトレンド RTBやDSP/SSPの次は何か?

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広告のデジタル化と自動化が進んでいる。現在ではRTB(Real-Time Bidding:リアルタイム入札)というテクノロジーが登場し、Webサイトのある広告枠に対して広告が表示される瞬間瞬間に自動入札が行われ、最も高い金額を付けた企業がその枠を“落札”して広告を表出できる「プログラマティック広告」の仕組みが趨勢を支配している。しかし、早くから同分野を手がけてきたAppNexus CEO&CO-FOUNDERのブライアン・オーケリー(Brian O'Kelley)氏は「今後さらに成長することは難しい」との見通しを示す。この先、デジタル広告はどう進化するのか。オーケリー氏が今後の展望について語った。

執筆:レッドオウル 西山 毅、構成:編集部 松尾慎司

執筆:レッドオウル 西山 毅、構成:編集部 松尾慎司

レッド オウル
編集&ライティング
1964年兵庫県生まれ。1989年早稲田大学理工学部卒業。89年4月、リクルートに入社。『月刊パッケージソフト』誌の広告制作ディレクター、FAX一斉同報サービス『FNX』の制作ディレクターを経て、94年7月、株式会社タスク・システムプロモーションに入社。広告制作ディレクター、Webコンテンツの企画・編集および原稿執筆などを担当。02年9月、株式会社ナッツコミュニケーションに入社、04年6月に取締役となり、主にWebコンテンツの企画・編集および原稿執筆を担当、企業広報誌や事例パンフレット等の制作ディレクションにも携わる。08年9月、個人事業主として独立(屋号:レッドオウル)、経営&IT分野を中心としたコンテンツの企画・編集・原稿執筆活動を開始し、現在に至る。
ブログ:http://ameblo.jp/westcrown/
Twitter:http://twitter.com/redowlnishiyama

プログラマティック広告に関する3つの“間違った仮説”

photo
AppNexus CEOで共同創業者のブライアン・オーケリー(Brian O'Kelley)氏
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 「ad:tech tokyo 2014」で登壇したオーケリー氏は、はじめにプログラマティック広告についての「間違った仮説」について言及した。

「第1の間違った仮説は、“プログラマティック広告に関するビジネスは、指数関数的にいつまでも成長する”というものだ。しかし広告業界の中で成長すればするほど、その先さらに成長することは難しい」

 ある米国でのデータでは、2011年から2012年にかけてプログラマティック広告は10億ドルから20億ドル近くの規模に増えたが、成長率は鈍化したという。

 またデジタルディスプレイ広告がプログラマティックテクノロジーを利用する割合は、2016年には24%程度と予想されており、オーケリー氏は「コンシューマのモバイルデバイスの利用が進むと、さまざまな広告フォーマットを活用する必要が出てくる」と指摘する。

「たとえばRTBは広告における抜本的な革新であることは否定しないが、それに投下できるコストは限られている。プログラマティック広告が利用されなくなるというわけではないが、指数関数的な成長はない。こうした間違った仮説は、速やかに捨てなければならない」

 次にオーケリー氏が2つめの間違った仮説として挙げたのが、“デジタル広告においてはもはやイノベーションはない”というものだ。

「RTBやDSP(Demand-Side Platform)、SSP(Supply-Side Platform)といったテクノロジーは既に成熟し、今後は単にテクノロジーが改善されていくだけだと言われている。しかしこれは間違いだ。たとえばコンシューマが一瞬にして色々なレスポンスを返すことができる、そして広告主は相手の位置情報や今やっていること、考えていることに対応できるという未来像を描くことができる。私はこれが将来の広告の姿だと考えている。そのためにこれからもイノベーションは発揮されていくだろう」

 また“日本の広告市場は世界の他のマーケットとはまったく違う”ということについても、疑問を投げかけた。

「これが3つめの間違った仮説だ。実際にはそれほどユニークではない。たとえば世界の大手広告代理店も、日本のクリエイティブを模倣するということを行っている。日本だけがユニークなわけではない」

今起きているイノベーションはビッグデータ活用とネイティブ広告

 そして今現在、物凄いイノベーションがデジタル広告において起きているという。その1つめが、ビッグデータの活用だ。

「特に私が期待を持っている領域が、ビッグデータだ。ヤフーや楽天などは、日本のコンシューマのオンラインにおける行動状況を収集して、色々な広告を提示するとか、色々なEコマース体験を提供するという取り組みを行っている。しかしこうした動きはまだ始まったばかりだ。たとえばアマゾンは膨大なコンシューマデータなどを活用して、10億ドル規模の広告展開を進めようとしている」

 またオーケリー氏は、記事とクリエイティブを調和させ、編集コンテンツのような自然な体裁でコンシューマに見せる“ネイティブ広告”もイノベーションの1つだと指摘する。

【次ページ】広告業界で進む3つのトレンド

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