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  • 2015/01/06

研修の講師は社内の人間が担当!? ソフトバンクらしさが見える人材開発の3本柱

連載:ソフトバンク人材開発の秘密 vol.4

前回では「ソフトバンクバリュー」や「新30年ビジョン」を実現するために求められる人材像を中心に、人材開発担当の源田 泰之氏に話をうかがった。今回は、いよいよ人材開発の具体的な施策として「ソフトバンクアカデミア」「ソフトバンクイノベンチャー」「ソフトバンクユニバーシティ」の3本柱に加え、大変ユニークな試みである「知恵マルシェ」についても同氏に説明していただいた。これらの施策は、他社からも大きな注目を浴びており、そこに“ソフトバンクらしさ”が垣間見える。人材開発に課題を抱える企業にとって、1つのヒントになるかもしれない。

<連載一覧>

本気モードのアカデミアと、新事業の柱を生み出すイノベンチャー

──人材育成の戦略を実現するために、実際にどのような施策を行われていますか?

 源田氏■大きくは「ソフトバンクアカデミア」「ソフトバンクイノベンチャー」「ソフトバンクユニバーシティ」の3つがあります。

 まず、ソフトバンクアカデミアですが、これは2010年に設立された弊社社長 孫 正義の後継者発掘の機関で、現在全体で300名の方々が参加しています。ソフトバンクグループの社員だけでなく、およそ半数は外部の方で、そのうち7割(約35%)が実際に自身で経営に携わっている方々です。

──実際の授業、プログラムはどのようなことをやっているのでしょうか?

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ソフトバンク モバイル、ソフトバンク テレコム、ソフトバンクBB
人事本部 人材開発部 部長
源田 泰之氏
 源田氏■一番大きな課題は、プレゼンテーションですね。社長の孫自らグループ経営に対する最重要課題を発表し、その内容について全員が本気でプレゼンするというものです。それ以外にも経営シミュレーションゲームや、各種のプロジェクトがあり、いろいろなプログラムを提供しています。

 面白いのは、前回お話しした「自ら取りに来る人にチャンスを与える」というポリシー通り、参加は完全に挙手制によるものという点ですね。我こそは後継者にふさわしい! と思う人たちが、手を挙げて集っていただいている点が重要なのです。また成績を点数化し、毎年下位20%を入れ替えていることも特徴的でしょう。

──下位20%が1年で退場し、次に新しい人が入ってくるということですね。

 源田氏■そうです。毎年入れ替えがあります。また、外部と内部の人に対してプログラム的な区別はなく、一緒になってやっていく形です。外部からの後継者も視野に入れ、広く世の中から人材を募りたいという目的があります。

 アカデミア自体はリクルーティング機関ではありませんが、外部の方がプレゼンした事業内容をソフトバンクグループで実行してみたい場合には、結果的に入社していただくケースもあります。またグループ企業でも他のポジションに移動してもらうケースもあります。

──次に、ソフトバンクイノベンチャーについて詳しく教えていただけますか?

 源田氏■ソフトバンクイノベンチャーは2011年にスタートしました。今年で4回目になります。グループの30年ビジョンの中で、5,000社の企業を形成するための1つの施策として考えられたものです。

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「新30年ビジョン」における戦略的シナジーグループ5,000社の実現に向けた施策の1つ。社内外から幅広く独創的かつ革新的なアイデアを募り、事業化を進める

 そもそもイノベンチャー(InnoVenture)とは「Innovation」(変革)と「Venture」(ベンチャー)を組み合わせた造語です。グループ内から次を支える新事業を生み出したい、という思いでやっています。2013年12月にはSBイノベンチャー株式会社を設立し、ソフトバンクイノベンチャーの案件に対するインキュベーションと投資を行っています。

──どのくらいの応募があるのでしょうか?

 毎回1,000件以上の新規事業やアイデアの応募があります。すでにイノベンチャー発のサービスも形になっていますよ。たとえば、ソフトバンク コマース&サービスから「クラウドマーケティング」が提供されています。このサービスは、各社に合わせた最適なマーケティングツールをB2Bで用意するものです。このほかにも現在10件ほど事業検討を進めています。そのうち1件はこの10月半ばに漫画無料アプリ「ハートコミックス」としてリリースしました。

ユニークな社内認定講師制度で明日から使える実践的なスキルを伝承

──もう1つの施策は、ソフトバンクユニバーシティですね。これはどういったものでしょうか?

 源田氏■ソフトバンクユニバーシティは、グループ社員向けの研修機関という位置付けです。経営理念の実現に向けた人材育成をしたい、という思いで、社内研修を中心に実施しています。

──どのくらいの規模感で行われているのでしょうか?

 源田氏■年間で約1万人の集合研修を実施しています。eラーニングも昨年実績で延べ140万回以上が受講し、ここで新入社員研修から新任の課長・部長研修なども受けられますが、中心となっているのは選択的に受講できる科目です。内容は英語系や統計学、マーケティング論など、約70コースほど用意しています。

──特に人気のあるコースは何ですか?

 源田氏■ソフトバンクらしいのかもしれませんが、一番はプレゼンテーションのコースです。英語も人気がありますね。英語は全社を挙げて力を入れており、たとえばTOIEC 900点以上で100万円、800点以上で30万円のインセンティブを用意しています。それ以外にも、TOIECの点数に応じて英会話スクールに通えたり、オンライン英会話講習を受けられたり、英語合宿に行けたり、電子辞書がもらえたりと、レベルアップの施策を打っています。少しずつステップを踏んで楽しみながら学べるため、インセンティブというよりもゲーミフィケーションのような感覚でしょうか。

──ソフトバンクユニバーシティの講師はどのような方々なのでしょうか?

 源田氏■実は「社内認定講師制度」があり、グループ内の社員が研修講師となって、自分の知識やノウハウを他の従業員に伝承していくのです。今は90名以上の方々が登録しています。基本的にはボランティアに近い形での参加ですが、ソフトバンクを良くしたいという想いを持った方々が集まっており、研修内容も非常に優れています。

──講師のほとんどが社員というのは、かなり珍しいと思いますが、なぜ内製化したのですか?

 源田氏■やはり実践的な経験に裏打ちされた人を講師にした方が良いと考えたからです。社内認定講師制度の優れている点は、たとえばマーケティングを実業としてやっている人、あるいはやっていた人が講師になりますから、大変リアリティのある内容になるわけです。知識として知っているだけでなく、実際に業務として経験ある人が教えている点が、大きなプラスになっているわけです。

 これは、かなりインパクトのあることです。受講者は知識を学ぶのではなく、使える能力を得たいために研修を受けにきます。以前、リーダーシップ研修において、リーダーシップのない人にリーダーシップ論を教えてもらっても、それが身に付くわけがないという声がありました。これが社内認定講師制度の原点になっています。

 研修のアンケートでも、外部講師より社内講師のほうが満足度や評価が高いという結果が出ています。外部講師の方は研修のプロで教え方も大変上手いですが、その業務のプロではない、ということかもしれませんね。

【次ページ】 教えたい人と聞きたい人がつながる! 自由な発想で人的ネットワークを広げる知恵マルシェ

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