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- 2016/10/24 掲載
まさかの「レゴ」が50代社員の「キャリア」と「リブランディング」を支える
連載:ソフトバンク人材開発の秘密 vol.14
50代目前の「キャリア再考」
同氏が知恵マルシェを開催したきっかけは、ソフトバンクの「役職バトンタッチ制度」だった。これは、社員が一定年齢になるとマネジメントを外れて後進に譲るというものだ。当時47歳だった前川氏は、「役職バトンタッチ制度」の基準年齢に近づいていた。そのまま会社に残るか、転職や独立を考えるか。これからの生き方を模索する中でレゴシリアスプレイに出会った。
「ITの世界は技術革新が激しく、常に変化に対応し続けなければSEは生き残りが難しくなる一方です。たとえば、通信の世界はデジタル化が進み、音声技術者の需要が劇的に減りつつあります。生き残ろうとすれば、次の『食っていく方法』を探さなければなりませんが、容易ではありません。自分の『強み』は何なのか。それを探るのにレゴシリアスプレイが利用できると思いました。幸い、ソフトバンクには『知恵マルシェ』という学びの場があります。これを利用してソフトバンク人材、特に40歳以上の層の『リブランディング』を支援したいと考えました」(前川氏)
「レゴシリアスプレイ」とは
レゴシリアスプレイとは、レゴブロックを活用して、企業経営や組織作りを創造的かつ革新的に行う手法だ。レゴ社の教育プログラムの開発責任者だったロバート・ラスムセン氏が開発した。この手法は、マサチューセッツ工科大学メディア研究所のシーモア・パパート教授が提唱する手を動かしながら新しい知識を構築していくという教育理論「コンストラクショニズム」を基盤としている。「プランを立てて検証する」というこれまでの企業戦略の策定実践方法とはまったく異なり、無から有を生み出すようなイノベーションを起こす際に有効だとされている。実際、レゴシリアスプレイはグーグル、NASA、コカコーラ、トヨタ、ユニリーバなど世界の先進企業や組織で人材研修に利用されており、日本でもアシックス、富士通、博報堂、三井不動産などで実績がある。
【次ページ】「レゴシリアスプレイ」の進め方
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