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  • 2015/12/25

オリンパス「大復活」の理由、東芝や大王製紙と何が違うのか

オリンパスの業績が今期「大復活」を遂げようとしている。その陰には、2012年8月に2番目の収益源だった情報・通信事業を売却し、現状、営業利益の大部分を医療事業、とりわけ内視鏡に頼ってスキャンダルからの再起を図っている姿が浮かび上がる。「大復活」の背景には、同じように会計上のスキャンダルを起こした企業である大王製紙や東芝とは明らかな違いがある。

経済ジャーナリスト 寺尾 淳

経済ジャーナリスト 寺尾 淳

経済ジャーナリスト。1959年7月1日生まれ。同志社大学法学部卒。「週刊現代」「NEXT」「FORBES日本版」等の記者を経て、経済・経営に関する執筆活動を続けている。

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オリンパスの事業の中身は、スキャンダルの前と後とで大きく変わった

オリンパスが苦難の「壁」を乗り越えた日?

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 オリンパスと言えば、世間を騒がせたスキャンダルが記憶に新しい。企業買収に伴う巨額の損失を10年以上も隠ぺい。先送りした不正会計処理が2011年7月に発覚し、社長解任、経営陣交代、旧経営陣の逮捕・刑事訴追と続き、一時は上場廃止の瀬戸際にも立たされた。その後、刑事裁判も株主代表訴訟も今年7月までに地裁判決が出て、一段落している。

 その間、オリンパスの業績も悪化した。通期の連結売上高は事件発覚前の2010年3月期の8,831億円から2014年3月期の7,133億円まで19.2%減少し、ほぼ2割減。営業利益は2010年3月期の612億円から2013年3月期の351億円まで42.6%減で、4割以上も減った。2012年8月には、子会社のITXが手がけ医療事業に次ぐ2番目の収益源だった携帯電話販売などの情報通信事業を、約530億円で投資ファンドの日本産業パートナーズに売却した。そして2012年10月にソニーと資本業務提携を結び、500億円の出資などの支援を受け、再起を図ることとなった。

 ソニーが筆頭株主になり、事実上のスポンサーとなってから3年が経過し、オリンパスの業績はV字回復している。2015年3月期の業績は直近、最も悪かった年度に比べて売上高は7.2%増、営業利益は2.59倍になった。

 オリンパスは11月6日、第2四半期決算を発表すると同時に、通期業績見通しの売上高を8,100億円から8,160億円に上方修正した。60億円、0.7%の上積みにすぎないが、第2四半期の決算数字が事前予想より良かったこともあり、翌営業日(11月9日)にオリンパスの株価は16.9%高のストップ高で高値引けと人気が沸騰。この日の終値に近い水準をその後もほぼ維持しており、投資家の人気は衰えていない。

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オリンパスの売上高の推移と営業利益の推移
(出典:会社発表資料)


 2016年3月期の業績見通しの売上高は上方修正しても、スキャンダル発覚前には及んでいないが、営業利益は2010年3月期の612億円よりも6割以上も多い1,000億円に達した。売上高営業利益率は12.2%で「稼ぐ力」は2010年3月期の6.9%の1.76倍に。2015年3月期は87億円の赤字だった最終損益見通しは560億円の黒字に転換する見込み。そんなこともあいまって「オリンパス大復活」などと、もてはやされている。

 オリンパスも11月9日をもって、スキャンダルという苦難を乗り越えて、新しい時代に入ったとみていいのだろうか?

【次ページ】オリンパスの利益のほとんどは医療事業があげている

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