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- 2016/02/05 掲載
Apple Musicで「瀕死」のパンドラ、巨人に囲まれても活路を見出す「奇跡の一手」とは
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そうしたラジオを、パンドラは「Redefining Radio for a Connected World」、すなわちネットで接続された世界のためのラジオを再定義する、と謳っています。では、どのように再定義したのか、パンドラの答えは、「パーソナルラジオ」です。
通常のラジオはテレビ放送と同じように、あるエリアの公共の電波を用いて、共通のコンテンツをユーザーの特性を一人ひとり特定せずに一斉配信(ブロードキャスト)します。もちろん、リスナーは無料で視聴することができます。
一方、パンドラの最大の特徴は、それぞれの好みに応じて一人一人に違った音楽(コンテンツ)を提供すること。そして、ラジオのパーソナル化(一人一人好みに合わせて配信)、これがパンドラのビジネスです。こうしたパーソナル化を実現するために、同社では「Music Genome」と呼ばれるデータベースを構築し、多くの投資を実施してきました。
パンドラのポジショニング
結論から言えば、現在のパンドラのポジショニングは非常に厳しい状況にあると言わざるを得ません。こうした厳しい状況を反映して、株価も大幅な値下がりを続けています。その背景にあるのが、インターネットラジオという土俵が大きく変化し、サブスクリプション(定額)型音楽配信サービスが台頭してきていることです。
そのサブスクリプション型音楽配信サービスの典型は、2015年7月から開始された「Apple Music」でしょう。Apple Musicは、毎月980円を支払えば、邦楽・洋楽を含めて自由に視聴できるサービスです。確かにこうしたサブスクリプション型音楽配信サービスは、パンドラのような「ラジオ」ではありません。
しかし、パンドラ同様に視聴した曲と似た曲をレコメンドするというような機能も備えており、サブスクリプション型音楽配信サービスも、インターネットラジオの一つ、すなわち、パンドラにとっての競合になっているのです。
このインターネットラジオについて、(1)サブスクリプション型ならびに広告型、(2)グローバル展開ならびにローカル展開という軸から整理してみましょう。
【次ページ】競合相手はSpotify?Apple Music?それとも地元ラジオ局?
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