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- 2016/05/25 掲載
FinTechユニコーンのストライプ(Stripe)が、PaypalやSquare並みに評価される理由
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Stripeはなぜ決済分野で勢いを増しているのか
前回、フィンテック企業の全体像を概観しましたが、次に具体的なフィンテック企業について追いかけていきたいと思います。今回、取り上げるのは、モバイル決済を手がけるストライプです。同社の現在の評価額は現在50億ドル(1ドル105円で5,250億円)と、中国企業を除いてフィンテック企業ではもっとも高いユニコーン企業になっています。ただし、ペイパルの場合、ペイパル上にアカウントを作成する必要がある上に、ペイパルのサイトに移って決済をする必要があり、利用ユーザーのエクスペリエンスを損ないかねません。一方、自社で一から決済する場合は、決済用のプログラムを開発する必要があり、コストがかかります。
そうしたなかで、ストライプは、数行のコードを挿入するだけで開発者が簡単に組み込むことができる決済ツールを提供しています。その簡単さから、2011年の正式サービス開始以降、利用者数が拡大。現在では、キックスターター、ツイッター、フィットビット、ラックスペースなど多くの企業による「簡単に決済を組み込みたい」ニーズをくみ取って事業を拡大し、今やアップルが提供する決済手段であるApple Payの決済手段としても採用されました。
日本においても、すでに本格的な展開に向けて、現在ベータ版を提供中です(ただし、上陸を発表したのが2015年5月なので、1年近く正式版の公開が行われていないことになります)。日本ではベリトランス、GMOペイメントゲートウェイなど既存の決済企業がありますが、ストライプのシンプルさは「黒船上陸」たるインパクトを持つかもしれないというのが筆者の見方です。
【次ページ】ストライプに見るフィンテック企業の資金調達
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