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  • 2013/11/28

PCが売れない中で、なぜマイクロソフトの株価は高騰しているのか?

連載:世界ハイテク企業ウォッチ

2013年7-9月期の米ハイテク企業の決算が一通り出そろいました。その中で最も良かった決算の一つが、今回取り上げる「マイクロソフト」です。9月のノキアの携帯電話事業の買収発表で一時的に株価は大きく下落しましたが、今や年初から41%も上昇。1999年につけた高値40ドル台を回復しそうな勢いです(図1)。マイクロソフトといえば、言わずと知れたパソコン向けのWindowsとOfficeで世界を制覇した企業ですが、昨今のスマホ・タブレットの台頭でパソコンの出荷台数も減少、“過去の企業”とも揶揄されています。さらにスティーブ・バルマーCEOの後継者問題も世間を騒がせていますが、投資家はマイクロソフトのいったい何を評価しているのでしょうか。

フューチャーブリッジパートナーズ 長橋賢吾 編集:編集部 松尾慎司

フューチャーブリッジパートナーズ 長橋賢吾 編集:編集部 松尾慎司

2005年東京大学大学院情報理工学研究科修了。博士(情報理工学)。英国ケンブリッジ大学コンピュータ研究所訪問研究員を経て、2006年日興シティグループ証券にてITサービス・ソフトウェア担当の証券アナリストとして従事したのち、2009年3月にフューチャーブリッジパートナーズ(株)を設立。経営コンサルタントとして、経営の視点から、企業分析、情報システム評価、IR支援等に携わる。アプリックスIPホールディングス(株) 取締役 チーフエコノミスト。共著に『使って学ぶIPv6』(アスキー02年4月初版)、著書に『これならわかるネットワーク』(講談社ブルーバックス、08年5月)、『ネット企業の新技術と戦略がよーくわかる本』(秀和システム、11年9月)。『ビックデータ戦略』(秀和システム、12年3月)、『図解:スマートフォンビジネスモデル』(秀和システム、12年11月)。
ホームページ: http://www.futurebridge.jp

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図1 マイクロソフトの株価(単位:USドル)
(出典:Yahoo!Finance)


転換期を迎えるWindowsビジネス

 先日、筆者はあるソフトウェア企業の経営者からこんな話をお聞きしました。「いままでうちはマイクロソフトのWindows Server、SQL Serverを基盤にしてきたけど、本当にこれからもマイクロソフト一辺倒でいっていいのか考えている」と。

 たしかに、マイクロソフトは、1990年~2010年のおよそ20年間にわたって、CPU製造大手のインテルとともにWintel(Windows+Intelの造語)などと呼ばれ、すべてのパソコンにはインテルのCPU、マイクロソフトのOSがバンドルされているというかつて類をみないほどの独占状態を誇り、「マイクロソフト帝国」などと呼ばれてきました。

 こうした勢いを支えていた前提にあったのは、パソコンの出荷台数が増え続けることですが、現在はこの前提が崩れつつあります。米国の調査会社IDCによれば、2013年の世界におけるパソコン出荷台数はタブレット・スマートフォンに押されて、前年度マイナス9.7%減の3億1540万台。IDCは2014年以降も2011年の水準にはもう戻らないと予測しています。

 実際、マイクロソフトのWindowsライセンス部門の売上高も2013年度は、192億ドルと若干増収(前年比+4.5%)したものの、単価下落などが響き営業利益は95億ドル(前年比マイナス17%)と大幅な減益となりました。すなわち、パソコン一本足打法に頼っていたWindows事業に暗雲が立ち込めているわけです。

プロダクトポートフォリオからみるマイクロソフト

 たしかに、Windowsライセンスは、転換期を迎えつつありますが、そうした中でもむしろ競争力が上がっている分野があります。

 図2でマイクロソフトのプロダクトポートフォリオを示します。プロダクトポートフォリオが何かについては、「グーグルのサービス一覧まとめ、プロダクトポートフォリオでその強さを読み解く」で触れたので、今回はその説明は省略します。

画像
図2 マイクロソフトのプロダクトポートフォリオ
(出典:筆者作成)


 まず、マイクロソフトには、2つの収益の柱があります。一つは、先ほど触れたWindowsライセンス事業です。主力のパソコン販売が落ち込みつつあるなかで、今後、Surfaceを中心としたタブレット端末の販売、そしてノキアの携帯電話を中心としたWindows Phone 8の販売、といった非PCへのライセンス販売の強化が成長戦略と言えます。

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