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- 2015/02/27 掲載
カメラを“再発明”したゴープロ(GoPro)はガジェットか?新しいプラットフォームか
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ゴープロとは?
そこで、彼が考えたのが“見えないカメラ(invisible camera)”です。すなわち、自分がカメラを装着して何を撮影しているのかはわからないものの、自分の視点で撮影ができる、これがゴープロの最初のアイデアです。そして、このアイデアを実現するため、試作を続け、2004年に35mmフィルムカメラ「HERO」を発売しました。
単なるカメラではなく、サーフィンなどの自分の視点で撮影できることの面白さ、手軽さから、動画サイトのYouTubeを中心として、話題が沸騰。その後、HEROについても、35mmフィルムカメラから、デジタル録画が可能なモデルへと進化を遂げ、最新のHERO4では、高精度画質規格である4Kに対応して、高画質な映像を録画することが可能になっています。
ゴープロのビジネスモデル
販売にあたっては、自社で販売するダイレクト販売(2014年第4四半期実績で売上比率61.8%)のほか、ウォルマート、ベストバイといった量販店、スポーツオーソリティ(スポーツ用品店)、レクリエーション・イクイップメント(アウトドア用品)といった専門店経由での代理店販売(同売上比率38.2%)を行っています。
販売地域は、北米が大半(同64.3%)を占めるものの、近年ではヨーロッパ・アフリカ地域(同25.9%)、日本を含むアジア地域(同9.8%)と、現在は世界中に販売網を築いている途上です。
こうした単純なビジネスモデルながらも、ゴープロがアクションカメラで確固たる地位を確立できたのは、YouTubeによるところが大きいと言えます。HEROの特徴の一つが、簡単に撮影できて、簡単に共有できることです。たとえば、スノーボードでHEROを装着して録画しながら滑り、録画した映像を簡単にYouTubeにアップロードできます。
そして、その動画をみたユーザーが、“なんかこのカメラ面白そう”という興味につながり、HEROを購入し、さらに動画共有を行うことで、バイラル(ウィルスのように多くのユーザに拡散する)に拡大することで、ゴープロのブランドが確立されました。
実際、2014年度第4四半期のカンファレンスコールでは、2014年には3.9年分(2013年は2.8年分)のゴープロのコンテンツがYouTubeにアップロードされ、2014年第4四半期(10月~12月)だけでも、9800万ビュー(前年同期比+34%)まで拡大しました。
こうしたYouTubeというメディアの活用効果もあり、ゴープロの業績は急拡大。とくに、クリスマス商戦にあたる2014年度第4四半期の出荷台数は、238万台と、昨年度比較で約2倍の水準(下図)、同四半期の売上高は、6.3億ドル(1ドル120円換算で760億円)、同社が経営指標としているEBITDA(金利・税金・償却前利益)は、2.02億ドル(同243億円)と会社の事前予想を上回る水準となりました。
【次ページ】ゴープロの苦悩と成長戦略、ドローン開発のうわさも
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