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  • 2016/02/10

ハースト婦人画報社 ブゴンCEOに聞くデジタル戦略、雑誌社が6年連続で成長できた理由

ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)によれば、「デジタル化(Digitalization)」の影響を最も受けるのは「メディア」産業だという。その「デジタル化」に積極的に取り組むことで、6年連続で増収を続ける雑誌出版社がある。ニューヨークを本拠地とする世界最大級のメディアグループ、ハースト傘下で、「ELLE(エル)」や「婦人画報」などを発刊するハースト婦人画報社だ。日本の書籍・雑誌市場が11年連続で縮小している中で、なぜ好調を維持し続けているのか。代表取締役社長&CEOのイヴ・ブゴン氏に聞いた。

(聞き手は編集部 松尾慎司)


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ハースト婦人画報社
代表取締役社長 & CEO
ハーストマガジンズ・インターナショナル
東アジア マネージング・ディレクター
イヴ・ブゴン氏

デジタル化成功の理由は「選択と集中」

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──日本の書籍・雑誌市場は11年連続で縮小しています。その中で御社は、6年連続で増収を達成されています。逆風下でも事業拡大できている理由はどこにあるのでしょうか。

ブゴン氏:確かに書店経由の書籍・雑誌のマーケットは、楽観できる状況にはありません。ただし、少し広く考えると、新しいチャネルやプラットフォームの登場により、メディアマーケットは拡大し、チャンスは広がっていると思っています。たとえば当社の場合、ここ5年間で、Eコマース、デジタル広告、デジタル雑誌などのデジタル分野の売上は2桁で伸びています。既存のプリント雑誌ビジネスも、デジタルほどではありませんが平均7%ほどは伸びています。

──デジタル化は他社ももちろん取り組んでいます。貴社がデジタル化の取り組みに成功しているのはなぜでしょうか。

ブゴン氏:1つは「選択と集中」です。今から約10年前、将来のデジタル時代に生き残れる媒体を本社と話し合い、絞り込む作業をしました。2つ目は「イノベーション」です。毎年、成長性の高い分野を見極めて、新しい事業にスピーディに取り組んできました。

 3つ目は「デジタル」です。既存ビジネスの延長線上でデジタルを考えるのではなく、あくまでデジタルを中心に考えました。しかも、特定の人や部門だけが考えるのではなく、トップから現場までがデジタル中心に考えるようにマインドセットを変えました。

 4つ目は「人材」です。会社をデジタル化するにはエキスパートが必要です。また、20代、30代の若手スタッフにチャンスを与えました。

 また、弊社の場合、グローバルネットワークの一員であることも大きな要因です。デジタル革命は米国から起きていますから、その変化に他社より早く対応できたのだと思います。

女性向けオンラインメディア「コスモポリタン」を支えるCMS「メディアOS」の役割

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1月にローンチした日本版「コスモポリタン」
──1月21日には女性向けオンラインメディア「コスモポリタン」をローンチされました。どういったメディアなのでしょうか。

ブゴン氏:「コスモポリタン」は1886年にアメリカで創刊されました。「Fun Fearless Female(楽しく大胆な女性)」をテーマに、恋愛やビューティー、セレブ、ライフスタイル、エンターテインメント、ファッションなどの情報を網羅し、ミレニアル世代(2000年以降に成人、あるいは社会人になる世代のこと)の女性に常に寄り添う、女友達のような存在であることを目指しています。

──BuzzFeedをはじめ、さまざまなメディアが日本で登場していますが、コスモポリタンはどこがユニークなポイントなのでしょうか。

ブゴン氏:「コスモポリタン」は雑誌が79カ国で発行され、Webサイトは46カ国で展開されるなど、弊社の中でも最もネットワークが広いメディアです。編集者が世界中で読まれている記事をリアルタイムに見ることができ、人気の記事を瞬時に取り入れて、サイトにアップロードできるCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)である「メディアOS」を自社開発して採用しています。

 流入先も確認できますので、たとえばFacebookからの流入が多ければ、同様の記事のコンテンツをFacebookユーザーの好みに変えたり、各SNSユーザーの傾向に合わせた記事づくりができます。 これまで編集者のセンスや感覚に頼っていたところを、数字を見ながら、エディトリアルのPDCAサイクルを非常に高速に回せる仕組みになっています。しかも、このサイクルを国内ではなく、世界規模で回せるのが大きな特徴となっています。この前、デビッド・ボウイが亡くなったときも、数十分後には本社から過去の撮影写真やコンテンツが届き、WebサイトやSNSにアップできました。

【次ページ】メディアの「グローバル化」が競争軸となる理由

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