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  • 2017/05/12

炎上しないプロジェクトでは「定例会議」をこうやって回している

プロジェクトを上手に推進していくために、やってはならない行動が二つある。一つは目の前のタスクのことに終始する「木を見て森を見ずな行動」で、もう一つは「自分本位な駆け引きやポジショントーク、マウンティング」行動である。これらは、当人の主観においては「自ら課題を発見し、率先してこれにあたる」という「正しいリーダーシップ」の発露としてあることも多い。にも関わらず、なぜか組織全体の整合性が取りづらい。これが、プロジェクトの難しいところである。この問題を解消するためには、定期的に行われる「定例会議」の仕組みを工夫するのが有効である。

プロジェクト進行支援家 後藤洋平

プロジェクト進行支援家 後藤洋平

予定通りに進まないプロジェクトを“前に”進めるための理論「プロジェクト工学」提唱者。HRビジネス向けSaaSのカスタマーサクセスに取り組むかたわら、オピニオン発信、ワークショップ、セミナー等の活動を精力的に行っている。大小あわせて100を超えるプロジェクトの経験を踏まえつつ、設計学、軍事学、認知科学、マネジメント理論などさまざまな学問領域を参照し、研鑽を積んでいる。自らに課しているミッションは「世界で一番わかりやすくて、実際に使えるプロジェクト推進フレームワーク」を構築すること。 1982年大阪府生まれ。2006年東京大学工学部システム創成学科卒。最新著書「予定通り進まないプロジェクトの進め方(宣伝会議)」が好評発売中。 プロフィール:https://peraichi.com/landing_pages/view/yoheigoto

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プロジェクトにおける「定例会議」の回し方を学ぶ
(© astrosystem – Fotolia)


定例会議で立てるべきアジェンダとは

 プロジェクトとは、あらかじめ立てた「計画」と実際に進行した結果としての「現実」との間にある、ズレを埋めるための戦いである。

 ルーチンワークの世界と違って、ありとあらゆる想定外事象に見舞われるプロジェクトの世界においては、「計画」と「現実」とは絶望的に合致しないものである。

 このふたつの帳尻を合わせるためには、2つしか方法はない。すなわち、計画を変えるか、現実を変えるかのどちらかだ。そのために、プロジェクトマネージャーという存在があって、彼らの仕事はものづくりの「内容そのもの」よりも、ものづくりの「進め方」に本分がある。

 計画と現実のズレがどの程度のものなのか、どのようなものなのかを定点観測するために、定例会議という形式で会議を開催することが一般的だ。

 多くのプロジェクトでは、週次、隔週など、一定期間で必ず関係各位が集まり、状況の確認と対処方法の協議をするようにしている。

 こうしたプロジェクト定例会議の目的を考えると、アジェンダは基本的に次のような形式しかありえない。

・現在守ろうとしている計画はどれかということの確認
・それに対する現状認識=ギャップ、すなわち課題の共有
・課題への対処方法のすり合わせ

 しかし、実際にさまざまな企業の方々と多くのプロジェクトに関わってきた筆者の実感では、プロジェクトミーティングをやるうえで、これにジャストミートする形で話を進められる人は少ないようである。

 人は、意外と心が弱いものであって、いかに前述の3点が討議すべき要点だとわかっていても、(いやわかっていない人も多いのが現実であるが)、たいていの場合、人は先のことを見ようとせずに、目の前のタスクのことに終始する「木を見て森を見ず」の行動、あるいは「あたりかまわずマウンティング」の行動をとってしまいがちである。

 野放しにすると、最悪の場合、プロジェクトそのものの空中分解につながりかねないが、それを回避する方法がある。「定例会のその場でなく、会議を開催する前に、課題を洗い出し、解決策を講じ、解決のシナリオを立てる」という方法だ。

「プロジェクトミーティングの空中分解」を避ける唯一の方法

 こう言うと、「いやいや、それこそ会議の場でやるべきことであって、事前にそこまでやったら、会議を開催する意味がないではないか」と思うかもしれない。

 あるいは「そんなことをやっていたら、四六時中会議の準備に奔走するばかりで、肝心の作業をやる時間がなくなってしまうではないか」と、思うかもしれない。意地の悪い人は、それは「上司の覚えめでたい、会議のための会議を目論む輩の所業」ではないのか、というかもしれない。

 いや、決してそうではない、と断言できるのは、この方法は、筆者自身があるプロジェクトでご一緒した、ある敏腕プロジェクトマネージャーが実践していた方法から学んだ教訓であるからだ。

 その業界のなかでも、かなり規模の大きなプロジェクトであり、同種・同規模のプロジェクトは、その進行のさなかに失敗、撤退してしまうことも珍しくない、そんなプロジェクトだった。結果としては、計画から若干の遅延はあったものの、無事にリリースに至った。

 筆者はこのプロジェクトと同時期に、これに近い規模のプロジェクトのヘルプに入ることになったのだが、それはまさしく「木を見て森を見ず」「あたりかまわずマウンティング」の入り乱れる炎上プロジェクトだった。

 2つのプロジェクトの最大の違いは何かと振り返ると、それは定例会の運営方法であったのだ。

 「課題を洗い出し、解決策を講じ、解決のシナリオを立てる」ということを、定例会の場でやろうとするのか、定例会の前に済ませてしまうのか。その違いが、プロジェクト全体が炎上するかしないかにまで影響を与えるのである。

【次ページ】敏腕プロジェクトマネージャーはメンバーに「不安」を感じさせない!?

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