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  • 2017/06/16 掲載

CIOが直面するERPクラウド化の課題、なぜ「ミレニアル世代対応」が必要なのか

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世界のERP市場ではSaaS化が着々と進行しており、スマホアプリのように更新され続けるERPが企業のビジネスを大きく変えている。しかし多くの日本企業は、1990年代から2000年代にかけて導入されたERPをいまだに使い続けており、旧態依然とした業務プロセスで動いている状況だ。昨今の「クラウドERP」に求められる要件とはいかなるものか。
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ERPのSaaS化はなぜ必要なのか?
(© Jakub-Jirsák – Fotolia)


そのERPは「ミレニアル世代」に対応しているか

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 今日、スマートフォン(スマホ)やタブレットは日常生活の道具になった。リード エグジビジョン ジャパン開催「Japan IT Week 春 2017 第20回 データストレージEXPO」に登壇した日本オラクル 桐生 卓 氏は「今後は、スマホがERPをはじめとした基幹システムまでも大きく変えていくだろう」と語る。

 その理由として、同氏は「ミレニアル世代対応」の重要性を指摘する。

「スマホは場所を選ばない使い方を可能にするコンシューマーITであるとともに、『デジタルネイティブ』と呼ばれるミレニアル世代が最も慣れ親しんだデバイスでもあります。

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日本オラクル 常務執行役員
クラウド・アプリケーション事業統括
ERP/EPMクラウド事業本部長
桐生 卓 氏

 彼らは、分厚いマニュアルを読み込んでシステム操作を学んだりしません。まず触れて操作し、直感的にどう動かすのかをマスターしていく。しかし、従来の基幹システムはこうした点において対極にあります。企業の直面している課題とは、ERPが『簡単に触れない』『使えない』システムになっているということです」(桐生氏)

スマホ登場以前のERPを使い続ける日本企業が約6割

 スマホと従来のERPとの大きな違いは、そのバージョンアップサイクルにもある。スマホは年ごとに新しい端末が発表され、その上で動くアプリも数週間、数か月のサイクルでアップグレードされていく。

 これに対して従来のERPは、5年ごとのハードウェアの更改を機にソフトウェアのアップグレードが行われることが多いという。そのため設計工程からの時間を考えると、2017年の今動いているシステムは、2008、9年に決まった仕様のままである可能性もあるというのだ。

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スマホアプリと従来型基幹システムのバージョンアップサイクルの違い

「イノベーションし続けなければ、企業は市場から淘汰されてしまいます。どんどん変化していく情勢の中で業務変革の意図を持って取り組むべきテーマの一つが、ERPのモバイルデバイス対応なのです」(桐生氏)

 ただ、このような事実に企業がまったく気づいていない、というわけでもなさそうだ。2016年、アナリスト機関のガートナーが世界のCIOを対象に行った意識調査によれば、日本のCIOが「最優先でIT投資すべき」と考えているのはERPだという。

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CIOが考えるIT投資の優先度

 同社が日本企業に基幹システムの「年齢」を調査してみると、59.5%が10年以上前のシステムを利用していることが判明した。

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59.5%の基幹システムが10年以上前のシステムを利用中

 日本のERP市場は1990年代から2000年代にかけて立ち上がり導入が進んだ。先ほどのデータを見ると、スマホが存在しなかった時代の旧態依然とした業務プロセス、それに合わせた基幹システムが今も動いている、という企業は多いのだ。

【次ページ】ERPのSaaS化を実現する3つのアプローチとその先進事例

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