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  • 2019/04/24

独ハノーバーメッセ2019で見えた、押さえておきたい4つのポイント

インダストリー4.0による産業革命をテーマに、出展企業6,500社、来場者は75ヶ国・21万5千人という、世界最大規模の産業見本市「Hannover Messe(ハノーバーメッセ)」がドイツで開催されました。すでに多くの方が同イベントのレポートなどを発信されていると思いますが、筆者はここ数年の変化から今年のハノーバーメッセ2019を読み解いていきます。

東芝デジタルソリューションズ 福本 勲

東芝デジタルソリューションズ 福本 勲

東芝デジタルソリューションズ ICTソリューション事業部 担当部長
東芝 デジタルイノベーションテクノロジーセンター 参事
中小企業診断士、PMP(Project Management Professional)
1990年3月 早稲田大学大学院修士課程(機械工学)修了。1990年に東芝に入社後、製造業向けSCM、ERP、CRMなどのソリューション事業立ち上げやマーケティングに携わり、現在はインダストリアルIoT、デジタル事業の企画・マーケティング・エバンジェリスト活動などを担うとともに、オウンドメディア「DiGiTAL CONVENTiON」の編集長をつとめる。2015年よりインダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ(IVI)正会員となり、教育普及委員会副委員長、エバンジェリストなどをつとめる。その他、複数の団体で委員などをつとめている。主な著書に『デジタル・プラットフォーム解体新書』『デジタルファースト・ソサエティ』(いずれも共著)がある。その他Webコラムなどの執筆や講演など多数。

このたび、国立情報学研究所の中島震教授や立命館大学の高梨千賀子准教授と共著で『デジタル・プラットフォーム解体新書』(近代科学社)を刊行しました。よろしければお手に取っていただければと思います。

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ハノーバーメッセ2019 エントランス


ハノーバーメッセ2019の概要

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 ハノーバーメッセ2019のメインテーマとしては「Integrated Industry - Industrial Intelligence」が掲げられ、産業価値の高度化をもたらすインテリジェンス化の重要性を訴えました。

 また、今年はコンプレッサーや真空技術の展示会であるComVac(隔年開催)との同時開催となりました。コンプレッサーや真空技術からもたらされるプロセス自動化や排空気清浄システムなどは今後のスマート工場に不可欠な技術です。

 今年のパートナー国は北欧のスウェーデンでした。2017年のポーランド以来、2年ぶりの欧州圏のパートナー国となりました (2015年:インド、2016年:米国、2017年:ポーランド、2018年:メキシコ) 。なお、2020年のハノーバーメッセの開催は4月20日~24日、パートナー国はインドネシアに決定しています。

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今年のパートナー国は北欧のスウェーデン

ITベンダーの展示拡大とCeBIT開催中止

 ドイツの展示会運営会社であるDeutsche Messeは、CeBIT(国際情報通信技術見本市)を廃止し、2019年6月に予定していた次回開催も取りやめると2018年11月末に発表しました。同見本市はハノーバーメッセを母体として生まれた経緯があり、ハノーバーメッセに吸収された形です。

 CeBIT中止の背景にはここ数年の集客低迷があると思われますが、それに呼応するようにハノーバーメッセは、昨年くらいから各国のビッグITベンダーであるSAP、マイクロソフト、インテル、アマゾンウェブサービ(AWS)、富士通、オラクルなどの展示が出そろうなど、IT系の展示会の色合いが強くなってきています。

 すなわち、今年のハノーバーメッセへのITベンダーの出展内容は、従来CeBITで展示をしていたIT訴求も含まれたものになってきているのです。

 しかし、その中でも、ハノーバーメッセの展示内容の全体的な傾向としては、産業見本市としての特性や時代背景を写した価値訴求型のものが多いといえます。

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SAPはサプライチェーン全体のデジタル化の価値を訴求。
プロダクトライフサイクルに合わせ、設計・試作・生産・運用保守それぞれで有用なSAPのソリューションとパートナーのソリューションを展示。
(写真提供:SAPジャパン)

インダストリー4.0はより地に足の着いた取り組みに

 過去数年のハノーバーメッセを振り返ると、2011年のインダストリー4.0発表当時はコンセプト訴求型の展示が多くありました。しかし、近年はインダストリー4.0のエコシステムの中核になろうとする企業が、産業用のオペレーティングシステムとしてのプラットフォームを訴求し、IoT情報を産業機器や社会インフラなどから収集して活用するようなデモ展示が増えていった印象です。

 特に、昨年あたりからの傾向としては、インダストリー4.0を一挙に実現するのは困難であることに気付き始め、より現場レベルで成果を生み出す仕組み(xRを活用した作業アシストや作業記録の仕組みなど)に関するソリューション展示が目立ってきたのもその特徴といえるのではないでしょうか。

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マイクロソフトはMRデバイスHoloLens2を展示。
HoloLens2は従来に比べ、視野角が2倍となり、解像感も大きく改善。両手の指を認識して操作できるなど、人間による作業支援の可能性が大きく広がっている。
(写真提供:日本マイクロソフト)

 このようなハノーバーメッセの展示内容の変遷から、インダストリー4.0の取り組みは「着実に進んでいる」という印象を受けます。シーメンス、ボッシュなどの大企業だけでなく、中堅企業でも自社機器をインダストリー4.0のリファレンスアーキテクチャー(RAMI4.0)に対応する動きが進み、機器の製造履歴・使用状態のモニタリング、情報活用の事例が多く講演・出展されていました。

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旭鉄工傘下のiSmartTechnologiesは、自社工場向けに開発し現在は外販している「製造ライン遠隔モニタリングサービス」を出展。
(写真提供:iSmartTechnologies)

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【次ページ】ハノーバーメッセ2019の展示、4つの特徴

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