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  • 2019/06/19

プレイング・マネージャー必読、メンバーの心に火をつける“4つのデザイン”

近年、「マネージャー」といえば、基本的に「プレイング・マネージャー」を指す。それほど「マネジメントとそれ以外の業務の両立」が迫られている。一方で、「年功序列型・単一民族・男性中心組織」が通用しなくなり、多様な人材を相手にするマネジメントの難易度は上がるばかりだ。今のマネジメントはなぜ難しいのか。今必要なのはどんなマネジメントなのか。具体的に何をすればいいのか。その答は「4つのデザイン」にある。

プロジェクト・コンサルタント 後藤洋平

プロジェクト・コンサルタント 後藤洋平

予定通りに進まないプロジェクトを“前に”進めるための理論「プロジェクト工学」提唱者。HRビジネス向けSaaSのカスタマーサクセスに取り組むかたわら、オピニオン発信、ワークショップ、セミナー等の活動を精力的に行っている。大小あわせて100を超えるプロジェクトの経験を踏まえつつ、設計学、軍事学、認知科学、マネジメント理論などさまざまな学問領域を参照し、研鑽を積んでいる。自らに課しているミッションは「世界で一番わかりやすくて、実際に使えるプロジェクト推進フレームワーク」を構築すること。 1982年大阪府生まれ。2006年東京大学工学部システム創成学科卒。最新著書「予定通り進まないプロジェクトの進め方(宣伝会議)」が好評発売中。 プロフィール:https://peraichi.com/landing_pages/view/yoheigoto

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マネージャーがメンバーの心に火をつけるには、“4つのデザイン”を活用すればいい
(Photo/Getty Images)

いまどきのマネージャーの「三重苦」

 プレイング・マネージャーという言葉がある。メンバーのマネジメントと、プレーヤーとしての仕事を両立するマネージャーという意味だ。いまどき、「プレイングじゃないマネージャー」のほうが珍しいのではないかというぐらい、マネージャーはみんな忙しい。

 あるマーケテイング業界の重鎮の方から聞いた話だが、10年前とくらべても求められる仕事の量、クオリティ、スピードはけた違いに大きくなっているということだった。デジタル技術の進歩とともに、1つひとつの作業は効率化しているが、結果としては仕事の量は増え続けている。

 昨今のマネージャーにとってのもう1つの悩みは、人の入れ替わりが激しく、仕事の内容も変化が大きいなかで、「こういうふうにすれば大丈夫」というモデルが存在しないことだ。「年功序列型・単一民族・男性中心組織」は、マネージャーとしての振る舞いを学ぶ機会が多く、難しいことを考えなくても済む社会だった。

 暗中模索の手探りで苦労しているなか、上からは「うちはなかなかミドルが育たない」と言われ、下から文句も要望も出て突き上げられる。

 ミドルマネジメント層は、
  • ・昭和のような「上意下達」型のマネジメントは封じられている
  • ・仕事の量と難易度は高くなる一方
  • ・お手本とするマネージャーが身近にいない

という三重苦のなかでの戦いを強いられる。これを悲哀といわずして何といえばいいのだろう。

その動機付け、ただの「パワハラ」では?

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 マネージャーが遂行すべきミッションとはなにか。それは、とにもかくにも「業績を出す」ことだ。これに加えて、「若手育成」「文化形成」「現状改善」「新規提案」といったところが並ぶだろうか。

 いま特に重要視されているのが、チームのモチベーションアップだ。

 当然ながら、仕事は楽しくてやりがいがあることだけではない。難しいこと、面倒なこと、苦しいことがたくさんある。いかにしてメンバーのモチベーションを高め、業績を上げていくのかがマネージャーの至上命題だ。

 しかし、価値観多様化の時代にあって、「上から下に」「押し付ける」動機付けのあり方は、有効性を持ちにくい。いつ「パワハラ」だ、「マイクロマネジメント」だとクレームをつけられるかもわからない。

 そもそも、「動機付け」という言葉には、文字通り「動機」を外から「付ける」ニュアンスを持つ。それでは、本当に自発的な心の動きによって内側から価値を見出す、「フロー」と呼ばれるような状態には勝てない。

 ではどうするか。「メンバーの心が動く瞬間を観察し、捕まえる」のが有効だ。

大事なのは「タイミング」と「コンディション」

 その具体的な方法として、筆者の専門分野であるプロジェクト工学で提唱している「薪ストーブサイクル」をお教えしたい。

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人の心の薪ストーブサイクル

 まずは原理の説明だ。

 人の心の内側には、「幸せになりたい心」があり、その外側には「取り組むべき仕事」がある。この2つが互いに必然的な存在として結びつけば、人は夢中になって取り組むことができるが、結びついていない状態だと「我慢」「苦行」になってしまう。

 この結びついていない状態の代表例が「五月病」だ。休みを待ち焦がれる状態になっているとしたら、それは「心」と「仕事」の間の結びつきが失われている。薪が湿ってしまっているようなもので、無理して火を点けようとしても、なかなか難しい。

 ストーブのなかで薪が燃えるためには「酸素」と「薪」が必要なように、実は人も「心」と「仕事」が結びつき、反応することでサイクルが生まれ、回転数を上げていくようにできている。そしてこうした状態を「心に火が付く」という。

 たとえば、あるメンバーが1つの仕事を成功させて、次の機会を欲している状態だったとする。それは薪でいえば、良い感じに乾燥して、火にくべるのにベストコンディション、ということになる。

 「心」と「仕事」が結びついて反応が起きると、新たな気力、スキルや知識が生まれる。つまり、ポテンシャルが開花する。

 大事なのは、この最初の反応だ。この最初の反応がうまく起きる、ある種の閾値を超えると「心」の方は「感動」し、「達成感」と「疲労」を得て、温度が下がっていく。仕事の方は処理され、前進し、また次の仕事を生む。

 そこで、「より幸せになりたい心」と「新たに生まれた仕事」が連鎖してつながると、これはしめたものだ。また、その安定サイクルを実現している人同士が互いに熱を伝え合うようになると、そう簡単には止まらないエネルギー循環が発生する。

 薪ストーブのなかで薪が熾火(おきび、火勢が盛んで赤く熱した炭火)になるように、安定したサイクルになる。これが薪ストーブサイクルだ。

【次ページ】メンバーたちの心が「熾火」になるための「4つのデザイン」

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