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- 2022/05/16 掲載
【たったこれだけ】目標設定のコツ。部下を伸ばす上司・迷走させる上司の“差”は何か
新連載:リーダー必携マネジメント術
年次も部署も関係ない、誰にでも必ず目標設定が必要な理由
部下の育成をゴールに据えた時、マネジメント視点で最も大切なのは目標を設定することです。なぜ目標の設定が大切なのかというと、それは成長を測るバロメーターの役割を果たすからです。成長とは「できなかったことができるようになる」ことです。人は目標があり、それを達成したときに初めて成長を実感することができます。よく、「右も左も分からない新入社員にまで目標を設定し、結果を求めるのは酷だ」という考えの人がいます。また、「目標が必要なのは営業職だけで、総務やバックヤードの社員に目標は不要だ。そもそも評価する項目がない」という意見も耳にします。
しかし、それはむしろ逆です。新入社員こそ、迷わず目の前の仕事に取り組むための目標が必要で、結果と向き合う機会の少ないバックヤードだからこそ、成長を実感できる仕組みが必要なのです。
新入社員にとって、入社からの数年がその人のキャリアを左右すると言っても過言ではありません。あらかじめ定めた目標に向けて努力し、自分の実力と向き合い、足りない点を認識してそれをどう埋めるか必死に悩むこと。この繰り返しこそが成長に結び付くのです。
もちろん、最初から高い目標を設定する必要はありません。あくまでも重要なのは、目標の有無です。超えるべきハードルを明確な形で目標として設定してあげる、たったこれだけのことができていないケースが非常に多くなっています。
目標設定の基本はたったこれだけ
では、具体的にどのような目標設定をすればよいでしょうか。それは、部下が自走できる範囲で「短く、明確に」することです。
まず、期間についてです。四半期あるいは月次での目標を設定している経営者や管理職は多くいるでしょう。私たちはこれに加え、週次での目標を設定することをおすすめしています。
週次目標にするメリットは2つあります。1つは、月次での目標に対する進捗を管理できること。もう1つは、軌道修正の機会を増やすことができることです。
人間は機械ではありませんから、いつも必ず同じパフォーマンスを発揮できるわけではありません。そのため、月次レベルでの目標を達成するには高い自己管理能力が必要になります。しかし、そのようなスキルは必ずしも皆が持っているわけではありません。それを仕組みで改善するのが、週次での目標設定なのです。
また、環境の変化も起こり得ます。当初想定していたことが、「実施してみるとむしろ障害になってしまった」「後から計画の変更が必要になった」なんてことは決して珍しくありません。これも、週次での成果を追いながら、目標設定をする中で取り入れていくことで、修正を繰り返すことができます。
一見手間がかかるようにも見えるかもしれませんが、かえって月次目標の達成により近づくことができます。
【次ページ】部下と認識がズレない目標設定のコツ。部下が迷走する絶対ダメな目標設定
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